著者
深田 亮 古矢 丈雄 赤塚 菜穂 竹内 弥彦 赤坂 朋代 村田 淳
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12264, (Released:2022-10-13)
参考文献数
17

【目的】下垂足と足底感覚障害による歩行障害に対し,短下肢装具に加え,トレッドミル歩行練習を中心とした理学療法の効果について報告する。【対象】脊髄円錐部髄内腫瘍で立位姿勢制御の破綻と歩行障害を呈した58歳の女性である。画像診断で第11/12胸髄内に占拠性病変が確認された。不全対麻痺と足底感覚障害により立位姿勢制御および歩行機能が低下したため,第11/12胸椎髄内腫瘍に対し,腫瘍の部分摘出術が施行された。【方法】術後2日目から鶏歩の改善を目的に両足部に短下肢装具を装着し,術後6日目から歩行機能の改善を目的にトレッドミル歩行練習を開始した。【結果】術後22日目,自宅退院となり,自宅内移動が右短下肢装具を装着して自立,自宅周辺の屋外移動は両T字杖歩行が可能となった。【結語】術後急性期から装具療法を併用したトレッドミル歩行練習を実施し,術後早期に歩行機能が再獲得できた。
著者
深田 亮 古矢 丈雄 竹内 弥彦 金 勤東 赤坂 朋代 村田 淳
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11907, (Released:2021-01-23)
参考文献数
29

【目的】脊髄後索障害により,脊髄性運動失調を呈した歩行障害に対する理学療法について報告する。【対象】胸椎黄色靭帯骨化症でロンベルグ徴候と歩行障害を呈した73 歳男性である。第10/11 胸椎高位において,胸椎黄色靭帯骨化症に伴う硬膜管の圧排および同部位の脊髄圧排が確認された。不全対麻痺で立位保持,歩行が困難となり,第10/11 胸椎椎弓切除術,12 胸椎頭側1/2 部分椎弓切除術,黄色靱帯骨化切除術が施行された。【方法】術後5 日目から,歩行動作の獲得を目的に自転車エルゴメーター,トレッドミル歩行練習を中心に実施した。【結果】術後13 日目,ロンベルグ徴候は陰性となり,独歩が可能となった。【結語】術後急性期から自転車エルゴメーターやトレッドミル歩行練習を施行したことで,転倒なく独歩で日常生活に復帰できた。
著者
竹内 弥彦
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.250-254, 2002-12-20 (Released:2018-09-25)
参考文献数
16
被引用文献数
6

本研究では足底部位別での感覚情報の増加が立位姿勢調節に与える影響に着目し,足底部位別での機械受容感覚情報の役割を検討することを目的とした。対象は健常女子学生14名とした。被験者の足に合わせた4種類の足底刺激板(刺激なし,前足部中内側部,前足部外側部,後足部)上で静止立位足圧中心動揺を測定し,続いてクロステストによる足圧中心移動範囲を測定し分析した。クロステストにおける後方向移動範囲において,後足部刺激が刺激なしと前足部中内側刺激に比し有意に移動範囲の増大を認めた。今回の研究から足底部位別の役割として,視覚情報が低下した状況下では後足部の機械受容感覚情報増加は,後方向への足圧中心移動範囲を増大させるのに重要な情報を提供する機能を有していることが推測された。
著者
竹内 弥彦
出版者
千葉県立保健医療大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、高齢者における脊柱形態および椎体間可動域と補償的ステップ反応時の身体動揺特性、下肢関節モーメントとの関係を明らかにすることである。本研究の結果から、高齢者の後方ステップ着地時に生じる身体重心動揺の制御には、足関節底屈モーメントが関与していることが確認された。さらに、椎体間可動域と身体重心動揺との相関分析から、ステップ着地時における身体重心の動揺制御には第11・12胸椎間および第5腰椎・第1仙椎間の伸展可動域が重要であることが示唆された。