著者
笠井 美里
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.24-28, 2010-02-28 (Released:2014-11-21)
参考文献数
16

耳鼻咽喉科の開業医が見ている小児患者は平均で30%, 多い施設では50%です. 免疫獲得中の小児には感染性の耳疾患・鼻疾患・上気道炎が頻発します. 小児耳鼻咽喉科領域で近年問題になっていることは耐性菌による急性中耳炎の増加・滲出性中耳炎の増加と遷延化アレルギー性鼻炎の増加と低年齢化, 睡眠時無呼吸症候群の増加などが挙げられます. 一方, 小児耳鼻咽喉科領域の治療の進歩としては内視鏡手術の進歩による気道異物や鼻副鼻腔手術の技術向上, 人工内耳の進歩, 難聴遺伝子の解明などが挙げられます. 少子化の傾向は進んでおりますが, 周産期医学の進歩により以前は致死的であった病態も救命できるようになりました. 小児の成長に際し重要な意味を持つ聴覚や呼吸機能に障害をもつ小児の増加が予想されます. 本項では耳鼻咽喉科を受診する患児に多い疾患の診断と治療, 最近の知見について述べます.
著者
齊藤 達矢 川野 健二 ヤーイー アン 笠井 美里 池田 勝久
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 = Stomato-pharyngology (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.265-269, 2004-12-10
参考文献数
6

特発性味覚性鼻漏の1例を報告した.症例は44歳の女性で幼少時より食事中に水様性鼻漏を認めていた.顎・顔面の手術歴はなかった.砂糖による鼻漏の誘発試験では, 抗コリン作動性の薬剤によって前処置を行った側の鼻漏は他側に比べ減少したが完全に抑制することは出来なかった.特発性味覚性鼻漏と診断し, 後鼻神経切断術を施行した.術後誘発試験を繰り返し実施しているが鼻漏は認められていない.味覚刺激によって誘発される水様性鼻漏は味覚性鼻漏として知られており, 原因として顎顔面や耳下腺の手術, 顔面外傷がある.今回我々はこれらの既往を持たない特発性味覚性鼻漏の1例を経験し後鼻神経切断術で良好な経過を得た.