著者
笹川 幸治
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

湿地性ゴミムシ類の保全に関する基礎研究として、各種の生態の解明に取り組んだ。これまで生活史が未知であった複数の種の飼育に成功し、特殊な産卵生態や幼虫食性を明らかにした。一部の種では、これらの生態特性を通して湿地環境に依存していることが示唆された。また、ゴミムシ類の重要な生活史形質の一つである幼虫食性について、大顎形態から推定する方法についても開発した。これらの成果は、絶滅が危惧される湿地性ゴミムシ類の保全に役立つ有用な基礎データとなりうるだろう。
著者
嶋田 正和 柴尾 晴信 笹川 幸治 石井 弓美子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

寄生蜂ゾウムシコガネコバチと宿主アズキゾウムシとヨツモンマメゾウム による3種累代実験系を構築し、個体数動態を調べた。豆はアズキとブラックアイを組み合わせて捕食圧を調整した。この寄生蜂は頻度依存的捕食を発揮し、豆内の幼虫・蛹の密度に依存して選好性を切り変える。蜂の導入により、最大で118週まで3者の共存持続が維持され、そこでは2種の宿主の交代振動が現れていた。学習実験では雌蜂が条件づけされた宿主の匂いに惹かれて多く寄生していた。多い宿主種に選好性を高め、少ない宿主種が寄生を免れることで、3種の共存持続性が高く維持されていた。