著者
井上 幸次 藤井 雄一郎 笹邊 幸男
出版者
岡山県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-15, 2006 (Released:2011-03-05)

岡山県において放射線育種法により黒斑病罹病性の‘清水白桃’から作出して育成し、品種登録された‘清水白桃RS’は、本病に対して中程度の抵抗性を有した。果実の特性は‘清水白桃’とほぼ同等であることから、‘清水白桃RS’は、黒斑病多発地における‘清水白桃’の代替品種として有望である。
著者
高野 和夫 妹尾 知憲 海野 孝章 笹邊 幸男 多田 幹郎
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.137-143, 2007 (Released:2007-03-06)
参考文献数
14
被引用文献数
2 4

モモ果実の渋味の近赤外分光法による非破壊測定の方法について検討した.モモの渋味は果肉中の全ポリフェノール濃度と相関が高く,全ポリフェノール濃度が100 g当たり約110 mg以上で強い渋味を感じた.そこで,モモ果実中の全ポリフェノール濃度の推定を400~1100 nmの反射スペクトルから試みたが,誤差が大きく測定不可能と考えられた.しかし,モモのポリフェノールの主要な構成成分であるカテキンとクロロゲン酸水溶液の1100~2500 nmの透過スペクトルを解析すると,1664 nmと1730 nm付近に相関の高い波長域が存在した.そこで,モモ果実の1100~2500 nmの反射スペクトルによる解析を行ったところ,1720 nm付近に全ポリフェノール濃度と相関の高い波長域が存在し,重回帰分析による全ポリフェノール濃度の推定精度はSEP = 14.7 mg・100 g−1FWと比較的高かった.これらの結果から,1100~2500 nmの反射スペクトルを測定することによって,モモ果実の渋味を非破壊的に判別できる可能性が高いと考えられた.