著者
末永 寛子 桐野 菜美子 井上 幸次
出版者
岡山県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.25, pp.29-32, 2007 (Released:2011-01-27)

野菜類のうどんこ病に登録があるカリグリーン水溶剤とサンクリスタル乳剤を供試して、ゴボウ及びパセリーのうどんこ病に対する両剤の混用効果を検討した。両作物においてカリグリーン水溶剤とサンクリスタル乳剤との混用散布は、EBI剤のトリフミン水和剤又はバイレトン水和剤5と同等ないしやや高い効果が得られた。タマネギ鱗片表皮上でトマトうどんこ病菌の分生子発芽に及ぼす影響を検討したところ、カリグリーン水溶剤又はジーファイン水和剤にサンクリスタル乳剤を混用処理すると、各剤の単用処理より発芽抑制効果が高く、収縮する分生子が高率に認められた。トマト苗を用いた生物検定においても、これらの混用散布は高い防除効果が認められた。以上の結果から、登録農薬の少ない各種マイナー作物でもカリグリーン水溶剤又はジーファイン水和剤とサンクリスタル乳剤の混用散布はうどんこ病に高い効果が期待できる。
著者
井上 幸次 藤井 雄一郎 笹邊 幸男
出版者
岡山県農業総合センター農業試験場
巻号頁・発行日
no.24, pp.11-15, 2006 (Released:2011-03-05)

岡山県において放射線育種法により黒斑病罹病性の‘清水白桃’から作出して育成し、品種登録された‘清水白桃RS’は、本病に対して中程度の抵抗性を有した。果実の特性は‘清水白桃’とほぼ同等であることから、‘清水白桃RS’は、黒斑病多発地における‘清水白桃’の代替品種として有望である。
著者
川口 章 神谷 奈多紗 金谷 寛子 井上 幸次
出版者
近畿中国四国農業研究協議会
雑誌
近畿中国四国農業研究 (ISSN:13476238)
巻号頁・発行日
no.18, pp.69-72, 2011-03

既報のnested-PCR法を改良し,枯死したイチジク樹から1回のPCRで株枯病菌を検出できる方法を開発した.株枯病により枯死させたイチジクにおいて,通常の組織分離法による病原菌の検出が困難であったサンプルから,CFF5/CFR3のプライマーセットを用いた1回のPCRにより株枯病菌の検出が可能であった. また,PCRに用いるDNAを抽出するためのサンプルとして,イチジク木部をノコギリで切った際に得られる木くずが利用可能であった. これらの方法は,株枯病が疑われる,イチジク枯死樹の遺伝子診断として有効である.