著者
豊田 恵美子 箕浦 茂樹 宮澤 廣文
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.703-708, 2002-11-15
参考文献数
24
被引用文献数
2

妊娠・出産合併した結核治療については, WHO (World Health Organization), ATS (American Thoracic Society), BTS (British Thoracic Society) はそれぞれガイドラインを出している。1993年から2001年の8年間に当センターで取り扱った妊娠から出産後6カ月までに診断された活動性結核22例についてレトロスペクティブに検討した。41%が外国籍で, 症状が妊娠や出産によるものと紛らわしく, 発症がわかりにくく概して診断の遅れが推定され, 肺外結核が多い傾向があった。2症例が出産後に治療を脱落しており, 一般の結核と同様にDOTなどによるサポートが必要である。患者の治療に加えて, その児や周囲の新生児・妊婦への感染防止対策は重要で, とくに分娩時感染性ならば, 個別換気の部屋での分娩, 母児分離, 新生児の予防内服などの計画が必要であった。
著者
箕浦 茂樹
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp."N-67"-"N-70", 1999-03-01
参考文献数
4
著者
井上 千尋 松井 三明 李 節子 中村 安秀 箕浦 茂樹 牛島 廣治
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.25-32, 2006 (Released:2006-06-09)
参考文献数
17

本研究は、東京都心の医療機関における、1990年から2001年まで12年間の外国人分娩事例のうち、日本語によるコミュニケーションが困難な事例について検討することにより、言語の問題に伴う在日外国人の周産期医療上の課題を明らかにし、その対策について考察した。日本語によるコミュニケーションが困難なことにより、医療従事者と妊産婦との適切な意思伝達の阻害、保健・医療・福祉に関する情報不足、の2点が特有の問題として挙げられた。特に意思伝達の阻害は、病歴や自覚症状の確認困難、相互信頼関係形成と精神的支援の阻害、医療従事者の負担の増大を引き起こし、さらにインフォームドコンセントに基づく医療サービス提供の妨げになっていた。外国人妊産婦に対して、日本人と同じようにインフォームドコンセントに基づいた医療を提供するには、医療通訳制度を整えることが急務の課題であると考えられた。