著者
本間 太郎 佐藤 謙太 篠原 菜穂子 伊藤 隼哉 荒井 達也 木島 遼 菅原 草子 治部 祐里 川上 祐生 野坂 直久 青山 敏明 都築 毅 池田 郁男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.63-68, 2012-02-15 (Released:2012-03-28)
参考文献数
31
被引用文献数
4 5

CLAは抗肥満作用,抗がん作用など,多彩な生理機能を持つことが知られており,サプリメントとして市販されているが,日本人において摂取量や吸収代謝に関する報告はほとんどない.本研究では,日本人のCLA摂取における知見を得るため,日本人のCLAの日常的な摂取量,日常的な血中CLA濃度,CLAサプリメント摂取時の血中CLA濃度の変化について検討した.その結果,日本人は日常的に食事から37.5 mg/日のCLAを摂取していることが明らかとなった.また,日本人の日常的な血中CLA濃度は血漿中で6.4μmol/L,血球中で1.7μmol/Lであった.さらに,1日2.3gのCLAサプリメントを3週間摂取することで,血中CLA濃度は血漿中で7.7倍,血球中で8.7倍に増加した.外国人の報告と比べると,日本人は日常的なCLA摂取量や血中CLA濃度は少ないが,CLAサプリメントを摂取することでその濃度は飛躍的に上昇することが明らかとなった.以上より,日本人は1日2.3gのCLAサプリメントを長期摂取することで有益な生理作用を得ることができると考えられた.