著者
篠田 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.231, pp.126-129, 2003-12

昭和40年代から50年代にかけて、日本の流通業界は歴史上、かつて経験したことのない高揚期を迎えていた。沸騰期と言えるかもしれない。 入道雲が沸き立つようにチェーン店が台頭し、「先に版図を広げた方が勝ち」の気分が横溢した時代だった。チェーン業界を中心に、流通業界の地図は塗り代わり塗り代わりして、マスコミは「流通戦国時代」とはやし立てた。
著者
篠田 義彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.230, pp.108-111, 2003-11

伊藤雅俊が物心ついた時、家業は煮豆屋だった。今の武蔵小山商店街(東京・目黒区)である。煮豆屋という業種は既に姿を消したが、近いものを挙げれば、作り売りの惣菜店になろうか。 前夜遅くまで掛かって仕込みをし、朝早く起き出して、煮豆をはじめ各種のおかず類を作る。労をいとっていたのでは成り立たない小さな商いである。