- 著者
-
米勢 治子
- 出版者
- 公益社団法人 日本語教育学会
- 雑誌
- 日本語教育 (ISSN:03894037)
- 巻号頁・発行日
- vol.144, pp.61-72, 2010 (Released:2017-04-15)
- 参考文献数
- 9
本稿では「生活者としての外国人」を対象とした地域日本語教育において必要とされるさまざまな人材の育成について述べる。まず,地域日本語教育を担う者は誰か,その人材育成がどのような枠組みで行われるかを再考する。この枠組みに基づいた地域日本語活動を担う人材育成の方法を事例によって示し,人材育成の課題について考える。 「生活者としての外国人」の日本語習得には生活のさまざまな場面で接触するすべての日本人がかかわることができる。そのような人々を,教室に集う外国人住民と日本語でコミュニケーション活動を担う会話パートナーとして育成する場が地域日本語教室である。このコミュニケーション活動を促進する役割を担う日本語コーディネータや,日本語教室の設置・運営を展開するシステムコーディネータには,地域日本語教育の専門性と有償のポジションが必要であり,コーディネータをボランティアとして育成しようとする現状には限界がある。