著者
米田 諭 小林 洋三 布居 剛洋 竹田 幸祐 松森 篤史 安藤 稔 辻之上 裕久 西村 公男 福井 博
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.1270-1273, 2006 (Released:2006-11-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は28歳女性.近医でインフルエンザBにてリン酸オセルタミビルなどを処方され,翌日夜間より下腹部痛,下痢,血便が出現し当院を受診.大腸内視鏡検査で横行結腸左半部に全周性にわたる表層の出血,びらんを認めた.内服薬中止にて症状,内視鏡所見の治癒を認めた.薬剤リンパ球幼若化試験でリン酸オセルタミビルのみ陽性であった.本症例はリン酸オセルタミビルが誘因と考えられた急性出血性腸炎第1例目であり報告した.
著者
松森 篤史 米田 諭 小林 洋三 竹田 幸祐 安藤 稔 山根 佳子 西村 公男 小嶌 秀之 福井 博
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.102, no.9, pp.1207-1211, 2005-09-05

症例は30歳男性.黄疸と肝機能障害にて入院.入院7日目にプロトロンビン活性は30%と低下し急性肝炎重症型と診断した.直ちに血漿交換とグルカゴン-インスリン療法を施行し救命し得た.ウイルスマーカーはすべて陰性で,薬物服用歴とリンパ球幼弱化試験陽性であることよりホスホマイシンが原因と診断した.ホスホマイシンが原因となった急性肝炎重症型は本症例が最初の報告例である.<br>