著者
中野 晋 湯浅 成昭 粕淵 義郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_118-I_123, 2012 (Released:2013-01-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

東日本大震災では岩手,宮城,福島3県で園児・児童・生徒553名が亡くなったが,大川小学校などの事例を除くと引き渡し後に自宅や帰宅途中で犠牲になった子供たちが多いと伝えられている.一方,学校施設は災害直後から避難所として利用され,多くの教職員が避難所の開設・運営,さらに被災した学校の復旧や代替施設での学校再開など平常とは異なる膨大な業務の上に,児童・生徒のメンタルケアにも心を砕く必要があった.こうした教育機関での災害対応上の課題を整理し,これらの教訓から教育機関の防災管理のあり方について述べる.これを踏まえて徳島県でまとめた学校防災管理マニュアルガイドラインとこれの普及方法について報告する.
著者
宇野 宏司 中野 晋 粕淵 義郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_23-I_28, 2011

南九州・霧島連山の新燃岳(標高1,421m)では,平成23年1月に52年ぶりの爆発的噴火が起き,宮崎・鹿児島両県で降灰や噴石による被害が報告された.先行きの見えない噴火活動が住民の生活や企業活動に与える影響は大きく,また長期化することが懸念される.本研究では,各種公表資料,自治体や企業でのヒアリング調査結果をもとに,本災害による事業所や自治体の被災状況と当時の対応,今後の対策について整理し,長期化する恐れのある火山災害時における企業の事業継続に必要な観点について整理した.<br> 突発的な今回の火山噴火は,当該地域の火山災害に対する防災体制の不備な点を明らかにした.今後,火山災害の影響を受けない地域をも含めたより広域的な連携関係を構築しておくことや,風評被害を防ぐための復旧過程での積極的な報道の利用等が重要であると考えられる.