- 著者
-
細川 大瑛
平山 和美
- 出版者
- 日本神経心理学会
- 雑誌
- 神経心理学 (ISSN:09111085)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.4, pp.168-177, 2020-12-25 (Released:2021-01-09)
- 参考文献数
- 24
記号,人物,風景,物品に関する意味記憶障害について解説した.意味記憶障害は,感覚の種類を超えた問題として起こる.記号の意味記憶障害では,記号とそれが指し示す事柄との対応ができなくなる.責任病巣としては左の側頭葉先端部が重視されている.人物の意味記憶障害では,人の顔,声,職業など種々の知識が失われる.風景の意味記憶障害では,ある場所の景観,聞こえる音,所在地など種々の知識が失われる.いずれも,右の側頭葉先端部が重視されている.物品の意味記憶障害では,物の形,出す音,用途など種々の知識が失われる.両側の側頭葉先端部病変が重視されている.