著者
細田 千尋
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1120-1125, 2020-10-15

2020年,プログラミング的思考を育成するための一手法としてプログラミング教育が開始された.ここで目指しているのは,コーディングなどプログラミング能力自体の育成ではなく,学習の場で直面するさまざまな事象において,自分の意図する行動を実現するための論理的思考(プログラミング的思考)を養い,深い学びを実現することである.果たして,プログラミングを通じて学べることは何か?実際にプログラミングを学ばせることで,論理的思考力や,創造性が高まり,多くの科目(数学や英語,音楽など)における深い学びが実現するのか?この疑問に対し,これまでの認知科学,脳科学的知見から考えていく.
著者
細田 千尋
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

社会、教育等における成功には目標達成にむけた努力を継続する力“persistence”が必要である。この能力は課題内容に依存しない能力であるとされている一方、その神経基盤は明らかでなかった。そこで、本研究では、異なる実験参加意欲の高い被験者群に、数種類の長期学習実験介入を行い、その継続有無と、神経基盤差の関連性の解明、及び、継続力を上げる手法の開発を行った。その結果、前頭極の灰白質及び周辺の白質神経繊維の発達度合いから、努力継続力を予測する事が可能である事を明らかにし更に、達成感の細かい授与や、人格特性に合わせた教示法が、前頭極の発達を促し、努力継続力を強化出来る事を明らかにした。