著者
細野 英司 原田 慈久
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.438-442, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)
参考文献数
9

光電子分光は物質に束縛された内殻電子や価電子の状態密度を計測して物質の化学状態を知る手法である.さまざまなデバイスにおいて,動作中と動作していない場合で,材料の化学状態が大きく異なることから,デバイスや材料を真に理解するためには,動作環境中の測定であることを意味する「オペランド測定」を実施することが重要である.また,顕微光電子分光は,選択した場所の電子状態を解析することが特徴であり,粒子内部や材料の界面などを解析することができる.最先端の放射光を利用したオペランド顕微光電子分光を実施することで,実用デバイスや実用材料の解析が大きく進展することが期待される.