著者
緒方 昭子 井手口 範男 外村 昌子 蓮池 光人
出版者
一般社団法人 日本統合医療学会
雑誌
日本統合医療学会誌 (ISSN:24355372)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.40-46, 2020-05-20 (Released:2021-05-20)
参考文献数
21

近年増加した腹腔鏡手術に対する安楽ケアとしてソフトマッサージの効果ならびに研究方法の検証をするために、消化器がん患者を対象にマッサージ前後の変化についてランダム化比較試験 (RCT) を実施した。男性10名、女性3名 (平均年齢62歳) の対象者の協力が得られた。その結果、体温・脈拍・血圧に有意差はみられなかったが、マッサージ群のKOKOROスケールの 「不安な気分から安心な気分」 は対照群と比較して有意に改善していた。マッサージ後のインタビューから、 「マッサージしているときに痛みがない」 などの発言が得られた。これらのことから、測定値の顕著な変化は得られなかったが、ソフトマッサージは心理的安定に寄与することが考えられる。臨床看護においてRCTの実施はさまざまな困難を伴うため、対象者個別のデータを活用する代替的な研究方法を模索する必要性が示唆された。
著者
緒方 昭子 奥 祥子 竹山 ゆみ子 矢野 朋実
出版者
宮崎大学医学部看護学科
雑誌
南九州看護研究誌 = The South Kyusyu Journal of Nursing (ISSN:13481894)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-53, 2013-03

ソフトマッサージであるタクティールケアが日本に紹介され, 簡便なケアとして「認知症緩和」に用いられている。そこでタクティールケアの研究の状況を明らかにすることを目的に,医学中央誌で検索語を「タクティールケア」とし, 2006年から2012年3月までの検索を行った。得られた原著論文12件について検討した結果, 対象は認知症の患者に限らず, 寝たきり患者や急性期の患者など多くの対象に活用されており, 認知症患者のBPSDの軽減, せん妄予防, 拘縮の軽減などオキシトシン効果と思われる報告がなされていた。しかしほとんどが看護師の主観による観察評価であり, 客観的データを同時に測定・評価したものはなく, 今後リラックス効果などについて, 測定機器を用いて科学的に検証を行っていくことが必要であることが明らかとなった。(タクティールケアは株式会社日本スェーデン福祉研究所の登録商標である)
著者
緒方 昭子 奥 祥子 竹山 ゆみ子 矢野 朋実
出版者
宮崎大学
雑誌
南九州看護研究誌 (ISSN:13481894)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-53, 2013-03-15

ソフトマッサージであるタクティールケアが日本に紹介され, 簡便なケアとして「認知症緩和」に用いられている。そこでタクティールケアの研究の状況を明らかにすることを目的に,医学中央誌で検索語を「タクティールケア」とし, 2006年から2012年3月までの検索を行った。得られた原著論文12件について検討した結果, 対象は認知症の患者に限らず, 寝たきり患者や急性期の患者など多くの対象に活用されており, 認知症患者のBPSDの軽減, せん妄予防, 拘縮の軽減などオキシトシン効果と思われる報告がなされていた。しかしほとんどが看護師の主観による観察評価であり, 客観的データを同時に測定・評価したものはなく, 今後リラックス効果などについて, 測定機器を用いて科学的に検証を行っていくことが必要であることが明らかとなった。(タクティールケアは株式会社日本スェーデン福祉研究所の登録商標である)