著者
美濃部 京子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-7, 2001

話型「絞首台からきた男」(AT366)の話は、イギリスにおいては「黄金の腕」や「ちいちゃいちいちゃい」などの類語を中心にたいへん人気のある話であるし、日本においても同様の話は「こんな晩」などの形で若者を中心によく語られる話として知られている。本稿では「絞首台からきた男」の話型について、イギリスの類語を比較する。また、これらの話は他の話型である「赤ずきん」のサブタイプである「カテリネッラ」(AT333A)や「苦悩から解放された魂」(AT326A)の類話とも、語りの形式において共通する点が見られる。こうした比較を通して、『昔話の型』では「魔法昔話」に分類されているこれらの話が、実際には「形式譚」として分類したほうが望ましいことを論ずる。
著者
美濃部 京子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.67-73, 2009

ウェールズはイギリスの一地域でありながら、隣接するイングランドとは異なる文化的特徴を持っている。現在ではネイティブの話者は20%近くにまで落ち込んでいるが、ケルト系のウェールズ語が話され、アングロサクソン系のイングランドとは異なる文化を現在にまで伝えている。 ウェールズの首都カーディフの郊外セント・ファガンズにある国立歴史博物館は、ウェールズの伝統的な人々の暮らしを後世に伝えるために様々な取り組みを行っている。ひとつは歴史的な建物から、伝統的な暮らしにかかわる道具や日用品、民芸品などの収集・整理・展示、そしてもうひとつはウェールズの失われつつある伝統文化をフィールドワークによって調査することである。そうして集められた民俗資料はアーカイブに整理・保存されている。 本稿では国立歴史博物館のコレクションおよびアーカイブの資料について触れながら、博物館がウェールズの民俗学、昔話研究に たした役割について紹介する。
著者
美濃部 京子 ミノベ キョウコ Kyoko MINOBE
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 = Shizuoka University of Art and Culture bulletin
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-7, 2002-03-31

話型「絞首台からきた男」(AT366)の話は、イギリスにおいては「黄金の腕」や「ちいちゃいちいちゃい」などの類語を中心にたいへん人気のある話であるし、日本においても同様の話は「こんな晩」などの形で若者を中心によく語られる話として知られている。本稿では「絞首台からきた男」の話型について、イギリスの類語を比較する。また、これらの話は他の話型である「赤ずきん」のサブタイプである「カテリネッラ」(AT333A)や「苦悩から解放された魂」(AT326A)の類話とも、語りの形式において共通する点が見られる。こうした比較を通して、『昔話の型』では「魔法昔話」に分類されているこれらの話が、実際には「形式譚」として分類したほうが望ましいことを論ずる。