- 著者
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美濃部 京子
- 出版者
- 静岡文化芸術大学
- 雑誌
- 静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.67-73, 2009
ウェールズはイギリスの一地域でありながら、隣接するイングランドとは異なる文化的特徴を持っている。現在ではネイティブの話者は20%近くにまで落ち込んでいるが、ケルト系のウェールズ語が話され、アングロサクソン系のイングランドとは異なる文化を現在にまで伝えている。 ウェールズの首都カーディフの郊外セント・ファガンズにある国立歴史博物館は、ウェールズの伝統的な人々の暮らしを後世に伝えるために様々な取り組みを行っている。ひとつは歴史的な建物から、伝統的な暮らしにかかわる道具や日用品、民芸品などの収集・整理・展示、そしてもうひとつはウェールズの失われつつある伝統文化をフィールドワークによって調査することである。そうして集められた民俗資料はアーカイブに整理・保存されている。 本稿では国立歴史博物館のコレクションおよびアーカイブの資料について触れながら、博物館がウェールズの民俗学、昔話研究に たした役割について紹介する。