著者
松田 徹 門馬 孝 大泉 晴史 深尾 彰 河田 純男 芳賀 陽一 鞍掛 彰秀 白田 一誠 成沢 信之助 穀野 真一郎 齋藤 壽一 外田 博貴 小林 正義
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.252-259, 2011 (Released:2011-04-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

山形県におけるがん検診受診率は全国的には高いものの, 明らかな死亡率低下のためには不十分である。受診率向上には種々の方法があろうが, 本県の情況を検討した。本県のがん検診受診率向上に向けた対策の中で, 市町村や事業所に対して実施したがん検診に関するアンケート調査, 著効例や, がん検診に関してのニュースレター, 受診率向上への保健所の関わりなども示した。これらの結果から今後の対策のあるべき方針を示し, がん検診未受診者に対する再受診勧奨と, がん検診の申込みの時点での勧奨, 再勧奨も重要であることを示した。
著者
中嶋 均 村元 和則 奈良 秀八州 芳賀 陽一
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.573-580, 1998 (Released:2009-06-05)
参考文献数
33
被引用文献数
1

Crohn病と潰瘍性大腸炎の家族内発生は特発性炎症性腸疾患の成因,とくに遺伝的成因を究明する上で注目されている.筆者らは潰瘍性大腸炎とCrohn病の父子発生の1家系を経験した.症例1は25歳の男性,増悪する腹痛に対して開腹手術を施行し,その手術所見および手術標本の組織所見よりCrohn病と診断された.症例2は症例1の父で息子(長男)のCrohn病発症4年経過後に,粘血便を主訴として受診し,大腸内視鏡および生検組織所見にて潰瘍性大腸炎と診断した.本邦においては,Crohn病と潰瘍性大腸炎の異種の炎症性腸疾患の家族内発生例はこれまで6例と稀である.この家系におけるHLA検索ではこれまで同種の家族内発生例で示唆されているような一定の表現型を指摘し得なかった.