著者
佐仲 雅樹 瓜田 純久 中西 員茂 中嶋 均
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 = An official journal of the Japan Primary Care Association (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-305, 2012-12-21
参考文献数
46

<b>要 旨</b><br> 経験豊富な医師や看護師は, 一見軽症と映る患者に対して直感的に「重症感」を抱くことがある. このような直感的判断の重要性は広く認識されているが, いまだ経験則と言わざるを得ない. そこで我々は本稿において, 「重症感」の具体的意味を考察し, 1つの病態生理学的/症候学的モデルを提唱した. このモデルに基づいて言語化すれば, 重症感とは, 病態生理学的には「生体のホメオスタシスが破綻する前兆」であり, 症候学的には「急性に発症する全身性自律神経反応とacute sickness behavior」である. 重症感という直感を言語化し, 研修医や新人看護師に伝えることは, 「危険な患者」の見逃し防止につながると考えられる.
著者
佐仲 雅樹 瓜田 純久 中西 員茂 中嶋 均
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-305, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
46

要 旨 経験豊富な医師や看護師は, 一見軽症と映る患者に対して直感的に「重症感」を抱くことがある. このような直感的判断の重要性は広く認識されているが, いまだ経験則と言わざるを得ない. そこで我々は本稿において, 「重症感」の具体的意味を考察し, 1つの病態生理学的/症候学的モデルを提唱した. このモデルに基づいて言語化すれば, 重症感とは, 病態生理学的には「生体のホメオスタシスが破綻する前兆」であり, 症候学的には「急性に発症する全身性自律神経反応とacute sickness behavior」である. 重症感という直感を言語化し, 研修医や新人看護師に伝えることは, 「危険な患者」の見逃し防止につながると考えられる.
著者
中嶋 均 村元 和則 奈良 秀八州 芳賀 陽一
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.573-580, 1998 (Released:2009-06-05)
参考文献数
33
被引用文献数
1

Crohn病と潰瘍性大腸炎の家族内発生は特発性炎症性腸疾患の成因,とくに遺伝的成因を究明する上で注目されている.筆者らは潰瘍性大腸炎とCrohn病の父子発生の1家系を経験した.症例1は25歳の男性,増悪する腹痛に対して開腹手術を施行し,その手術所見および手術標本の組織所見よりCrohn病と診断された.症例2は症例1の父で息子(長男)のCrohn病発症4年経過後に,粘血便を主訴として受診し,大腸内視鏡および生検組織所見にて潰瘍性大腸炎と診断した.本邦においては,Crohn病と潰瘍性大腸炎の異種の炎症性腸疾患の家族内発生例はこれまで6例と稀である.この家系におけるHLA検索ではこれまで同種の家族内発生例で示唆されているような一定の表現型を指摘し得なかった.