著者
苗村 晶彦 渡邉 善之 小柳 信宏 楊 宗興 渡辺 幸一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.172-176, 2017

首都圏に由来する汚染気塊の影響により,これと北接する福島県において光化学スモッグ注意報が発令されることがある.森林の物質循環に及ぼす大気の影響を調べるため,福島県中通りを流れる阿武隈川水系の源流域において,平水時のCl<sup>-</sup>濃度およびNO<sub>3</sub><sup>-</sup>濃度を測定した.渓流水中のCl<sup>-</sup>濃度は,高い順に郡山,福島,西白河となった.首都圏の秩父多摩甲斐山岳域と比較すると,本調査値は標高の割りに郡山と福島でCl<sup>-</sup>濃度が高かった.NO<sub>3</sub><sup>-</sup>濃度については,3地点の平均濃度が12.8 μMで渓流水へのリーチングが相対的に小さく,地点間の変動も小さかった.関東周辺の森林渓流水では高濃度のNO<sub>3</sub><sup>-</sup>が観測されるが,福島県中通りにおいては関東地方の窒素飽和問題とは異なることが考えられる.
著者
苗村 晶彦 渡邉 善之
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.39-44, 2016

東京圏の中心地に位置する東京タワーにおける 2009 年の春季~夏季および秋季~初冬の夜間高 NO2 濃度時を解析したところ,ポテンシャルオゾン(以下,PO)濃度について季節別に特徴があり,春季~夏季では時間帯によっては高濃度が確かめられ,秋季~初冬には一様な濃度低下が認められた.また,春季~夏季および秋季~初冬の夜間 PO 濃度が平均 80 ppb を越えた時はいずれも春季~夏季において認められた.その際,翌日の日中 PO 濃度が平均 80 ppb を越え,その 3 例の内 1 例の前日に山梨県で日中に熱的低気圧が生成し,光化学スモッグ注意報が発令される事例があり,東京圏からの汚染の輸送と推測された.