著者
長崎 雅子 若崎 淳子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.87-95, 2001-03-31

本研究は,看護短大生の卒業研究における「やる気」に影響した要因を,学生に行った調査と教員の観察をもとに分析,考察を行った。その結果,「やる気」を促進した要因は,『交流』,『有効感』,『自己認識』であった。「やる気」の低下に影響した要因は,『臨地実習』,『関心の転化』,『休暇』,『健康状態不良』,『自己認識の低下』,『知識の不足』であった。学生の「やる気」と教員が観察した「やる気」を比較した結果,教員は学生の肯定的な言葉と自発的・積極的姿勢を「やる気」として観察していた。教員が「やる気」と観察した学生の肯定的言葉,自発的・積極的姿勢は,調査から得た学生個別の「やる気」と一致していた。しかし,外部から観察しにくい学生の潜在的な「やる気」については,教員は「やる気」なしと観察していた。
著者
松本 啓子 若崎 淳子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.67-72, 2006
被引用文献数
1

Successful Agingの研究は主に米国において進んでいるが,用語そのものの意味も研究者によって見解が異なる.我が国では未だ独自の社会的文化的民族的背景からの示唆は得られていない段階である.そこで今回,著者らの先行の報告を基に,65歳以上の高齢者36名へのアンケート調査から,Successful Agingの現状について質的因子探索型研究を行った. 高齢者におけるSuccessful Agingの現状としては,【満足】【健康】【自己保存】【参加】【チャレンジ】【自負心】の6カテゴリーが抽出された.`健康・元気にむけて努力する'から【健康】,`過去も現在も満足している'から【満足】,`満足している今の自分を,努力して維持させたい'から【自己保存】,`社会や人との関わりに意味を見出している'から【参加】,`好奇心旺盛で前向き'から【チャレンジ】,`高い自己評価とともにある自信'から【自負心】,の6カテゴリーであった.高齢者におけるSuccessful Agingの現状を明らかにすることは,新たな高齢者像の構築,医療・看護教育における高齢者理解の一端に寄与することができる.
著者
若崎 淳子 長崎 雅子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.41-52, 2003

本研究は、看護短大生を対象に、IGF法を活用した「やる気」調査をもとに、グループ形式で卒業研究に取り組む学生の「やる気」の要因を明らかにすることを目的とした。卒業研究前期では、学生の「やる気」グラフは多峰型を示し、促進要因は、[卒業研究過程の理解]、[グループダイナミクス]、阻害要因は、[卒業研究過程のつまずき]、[グループダイナミクス]、[身体コンディション不良]であった。中期では、グラフは直線型を示し、促進要因は、[前向きな取り組み]、阻害要 因は、[関心の転化]、[身体コンディション不良]であった。後期では、グラフはサイン・コサイン型を示した。特徴的な促進要因は見出せなかった。阻害要因は、[身体コンディション不良]であった。