著者
長崎 雅子 若崎 淳子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.87-95, 2001-03-31

本研究は,看護短大生の卒業研究における「やる気」に影響した要因を,学生に行った調査と教員の観察をもとに分析,考察を行った。その結果,「やる気」を促進した要因は,『交流』,『有効感』,『自己認識』であった。「やる気」の低下に影響した要因は,『臨地実習』,『関心の転化』,『休暇』,『健康状態不良』,『自己認識の低下』,『知識の不足』であった。学生の「やる気」と教員が観察した「やる気」を比較した結果,教員は学生の肯定的な言葉と自発的・積極的姿勢を「やる気」として観察していた。教員が「やる気」と観察した学生の肯定的言葉,自発的・積極的姿勢は,調査から得た学生個別の「やる気」と一致していた。しかし,外部から観察しにくい学生の潜在的な「やる気」については,教員は「やる気」なしと観察していた。
著者
長崎 雅子 松岡 文子 山下 一也 Masako NAGASAKI Ayako MATSUOKA Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.9-17, 2006-12-25

20歳以上の非医療従事者269名に死生観に関するアンケート調査を実施した。その結果、死はマイナスイメージで回避できない自然現象ととらえて、心の準備が必要と考えている人が多く、死の準備教育の必要性が示唆された。また、死をタブー視する傾向は、60代以上に多く、時代的背景の影響が見られた。死に対する不安は身体的苦痛などの現実的なことが多かったが、20~30代は「自己の存在消滅」など認識面の不安が多かった。死を意識するきっかけとしては、「大切な人の死を通して」が最も多く約6割であった。50代以上では、体調、加齢をきっかけとして死を意識し、かつ、それに伴う具体的な行動が見られ、死の準備状況の進展がみられた。20代では臓器移植賛成、提供してもよいが約8割であった。性差では女性の関心が高く、死を意識した行動が見られた。
著者
若崎 淳子 長崎 雅子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.41-52, 2003

本研究は、看護短大生を対象に、IGF法を活用した「やる気」調査をもとに、グループ形式で卒業研究に取り組む学生の「やる気」の要因を明らかにすることを目的とした。卒業研究前期では、学生の「やる気」グラフは多峰型を示し、促進要因は、[卒業研究過程の理解]、[グループダイナミクス]、阻害要因は、[卒業研究過程のつまずき]、[グループダイナミクス]、[身体コンディション不良]であった。中期では、グラフは直線型を示し、促進要因は、[前向きな取り組み]、阻害要 因は、[関心の転化]、[身体コンディション不良]であった。後期では、グラフはサイン・コサイン型を示した。特徴的な促進要因は見出せなかった。阻害要因は、[身体コンディション不良]であった。
著者
秋鹿 都子 長崎 雅子 松岡 文子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.91-98, 2005

看護学生の患者へのタッチによる、看護の質の変化について明らかにすることを目的に、看護学生9名に半構成的面接を行った。内容の質的帰納的分析の結果、100のコード、29のサブカテゴリー、10のカテゴリーを抽出した。タッチによる看護の質の変化は【患者との距離感】【タッチ効果の気づき】【患者への親近感】【意識的なタッチ】【タッチ効果の確信】【自己効力感】【患者に対する思いの深まり】【タッチの無意識化】【患者に寄り添う看護】という経過をなしていた。タッチに関与した因子は、患者の年齢・性・自立度・反応、タッチの目的・方法・状況だった。タッチによる患者との人間関係の深まりは、看護学生の看護の質を向上させる。
著者
吉川 洋子 飯塚 雄一 長崎 雅子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.97-103, 2001-03-31

女子学生の社会的スキルについて,ソーシャルスキル尺度,ノンバーバルスキル尺度を用いて看護学科1年次,2年次生,教育学部1年次生,保育学科1年次生の4グループを比較した。各グループ間に有意差は認めなかった。全体について,社会的スキルと自尊感情とセルフモニタリングの関連をみた。その結果,自尊感情およびセルフモニタリング得点が高い群は低い群よりソーシャルスキル得点は有意に高かった。しかしノンバーバルスキルに関しては,有意な差はなかった。対人関係技能・能力を向上させる教育を考えていく上で,社会的スキルを高めていくだけでなく,自尊感情やセルフモニタリングも高める必要があることが示唆された。