著者
長崎 雅子 若崎 淳子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.87-95, 2001-03-31

本研究は,看護短大生の卒業研究における「やる気」に影響した要因を,学生に行った調査と教員の観察をもとに分析,考察を行った。その結果,「やる気」を促進した要因は,『交流』,『有効感』,『自己認識』であった。「やる気」の低下に影響した要因は,『臨地実習』,『関心の転化』,『休暇』,『健康状態不良』,『自己認識の低下』,『知識の不足』であった。学生の「やる気」と教員が観察した「やる気」を比較した結果,教員は学生の肯定的な言葉と自発的・積極的姿勢を「やる気」として観察していた。教員が「やる気」と観察した学生の肯定的言葉,自発的・積極的姿勢は,調査から得た学生個別の「やる気」と一致していた。しかし,外部から観察しにくい学生の潜在的な「やる気」については,教員は「やる気」なしと観察していた。
著者
江角 弘道 Hiromichi EZUMI
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.69-74, 2004-03-31

遠赤外線は、人体の血流や皮膚細胞の活性化などに対して効果を持つことが確認されており、トルマリンは、他の誘電体に比べて遠赤外線放射率が高い。ここではそれを利用した健康商品のトルン・リングやトルン・シーツの使用前後の遠赤外線放出特性を分析した。その結果、トルン・リングでは、リング中のトルマリンとゼオライト混合粉末からの遠赤外線放出が確認され、使用後に効果の無くなっていたトルン・リングは、トルマリンとゼオライト混合粉末の粒塊同士がタール状のものでおおわれて単独で動けなくなっている様子が走査電子顕微鏡による観察より判明した。このタール状のものが遠赤外線放射効率を減少させていると考えられた。また、トルン・シーツは、トルマリンの分布密度が低く、その遠赤外線放射率は、トルン・ループに比べ低くなっていた。
著者
江角 弘道 木村 幸弘 Hiromichi EZUMI Yukihiro KIMURA
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.63-67, 2004-03-31

トルマリン利用健康商品からの遠赤外線放出が生体に与える効果について調べた。健常な男女20名を対象として常温遠赤外線放出シーツ及びループ利用寝具使用時に、心拍変動の測定を行い、通常の寝具使用時と比較検討した。心拍変動スペクトル解析から、通常寝具使用時よりも常温遠赤外線放出シーツ及びループ利用寝具使用時において、実験開始から60分後の実験終了まで、副交感神経優位であり、自律神経系に影響を及ぼしていることが明らかになった。
著者
井山 ゆり 吾郷 ゆかり
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.53-59, 2003

近年、医療機関と地域との「継続看護」の重要性が高まっている。そこで、病院看護と訪問看護の連携に焦点をあて、訪問看護師は「継続看護」の現状についてどのように捉え、継続の困難さを感じているのかを明らかにするために、インタビューを行った。その結果、訪問看護師は、「継続看護」を困難にする要因を次のように捉えていた。1)病院看護師の「継続看護」に対する認識の不十分さ、2)病院看護師の在宅生活への視点や社会資源の理解不足、3)医療体制整備の不十分さ、4)訪問看護師自身の働きかけの不十分さ、である。
著者
飯塚 雄一
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
no.5, pp.119-124, 2000

見ている-見られているという意識が相手の年齢と性別によってどのように異なるかを質問紙調査(男子学生291名、女子学生435名)によって検討した。その結果、男女共に相手が同年で異性の場合に最も多く相手に視線を向けると回答した。また、相手に視線を向けられているという感じをもちやすいのは、同性、異性いずれの場合にも年上の場合であることなどが見出された。
著者
長崎 雅子 松岡 文子 山下 一也 Masako NAGASAKI Ayako MATSUOKA Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.9-17, 2006-12-25

20歳以上の非医療従事者269名に死生観に関するアンケート調査を実施した。その結果、死はマイナスイメージで回避できない自然現象ととらえて、心の準備が必要と考えている人が多く、死の準備教育の必要性が示唆された。また、死をタブー視する傾向は、60代以上に多く、時代的背景の影響が見られた。死に対する不安は身体的苦痛などの現実的なことが多かったが、20~30代は「自己の存在消滅」など認識面の不安が多かった。死を意識するきっかけとしては、「大切な人の死を通して」が最も多く約6割であった。50代以上では、体調、加齢をきっかけとして死を意識し、かつ、それに伴う具体的な行動が見られ、死の準備状況の進展がみられた。20代では臓器移植賛成、提供してもよいが約8割であった。性差では女性の関心が高く、死を意識した行動が見られた。
著者
田中 芳文 飯島 睦美
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.91-99, 2004-03-31

米国の現代小説や漫画などに見られるが,辞書などでまだ明確にされていない現代アメリカ英語の英語表現について明らかにするとともに,その背景文化について記述した。
著者
平野 文子 馬庭 史恵
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-40, 2003-03-31

成人看護実習を終えた学生は,「病と共に生きる」患者を【自己概念を修正する】【支援を必要とする】【生活に溶け込ませる】【生き方の再構成をする】【病に立ち向かう】存在としてとらえ,患者自身がセルフケア能力を持つことを理解していったと考えられた。また,経過別に分類した疾患群ごとに特徴的な取り組みがあった。今後,それらの疾患群に応じたセルフケアの特徴が学べることや患者のセルフケア能力を見守りながら患者に沿うことができる実習指導が必要であることが明らかになった。
著者
若崎 淳子 長崎 雅子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.41-52, 2003

本研究は、看護短大生を対象に、IGF法を活用した「やる気」調査をもとに、グループ形式で卒業研究に取り組む学生の「やる気」の要因を明らかにすることを目的とした。卒業研究前期では、学生の「やる気」グラフは多峰型を示し、促進要因は、[卒業研究過程の理解]、[グループダイナミクス]、阻害要因は、[卒業研究過程のつまずき]、[グループダイナミクス]、[身体コンディション不良]であった。中期では、グラフは直線型を示し、促進要因は、[前向きな取り組み]、阻害要 因は、[関心の転化]、[身体コンディション不良]であった。後期では、グラフはサイン・コサイン型を示した。特徴的な促進要因は見出せなかった。阻害要因は、[身体コンディション不良]であった。
著者
秋鹿 都子 長崎 雅子 松岡 文子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.91-98, 2005

看護学生の患者へのタッチによる、看護の質の変化について明らかにすることを目的に、看護学生9名に半構成的面接を行った。内容の質的帰納的分析の結果、100のコード、29のサブカテゴリー、10のカテゴリーを抽出した。タッチによる看護の質の変化は【患者との距離感】【タッチ効果の気づき】【患者への親近感】【意識的なタッチ】【タッチ効果の確信】【自己効力感】【患者に対する思いの深まり】【タッチの無意識化】【患者に寄り添う看護】という経過をなしていた。タッチに関与した因子は、患者の年齢・性・自立度・反応、タッチの目的・方法・状況だった。タッチによる患者との人間関係の深まりは、看護学生の看護の質を向上させる。
著者
三木 喜美子 和泉 真紀 宮地 由紀
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.113-123, 2001-03-31

4年制の看護大学生を村象に,高齢者アセスメント表を適用し演習終了後に調査を実施した。1996年(調査I)と1997年(調査II)の2年間の調査を検討した結果,次のことが明らかになった。1)高齢者アセスメント表の難易度は,調査Iの結果が有意に「容易」と回答した者が多かった。(p<0.01) 2)高齢者アセスメント表の記入による効果は,いずれも共通して順位1位として,(2)潜在的な問題の把撞ができるをあげていた。2位以下は異なっていた。調査IIの(1)ニーズが把握しやすいが,調査1の同じ項目に比べて有意に高かった。(p<0.05) 3)問題領域選定表の難易度は,調査IIの結果が有意に「容易」と回答した者が多かった。(p<0.05) 4)問題領域別検討指針の有効性は,調査IIが有意に理解できたと回答した者が多かった。(p<0.05) 5)詳細検討用紙の難易度・問題領域別検討指針の理解度・ケアプランの難易度は,調査Iと調査IIの結果には有意な差はみられなかった。
著者
福澤 陽一郎 飯塚 雄一 高梨 信子 狩野 鈴子 別所 聡美
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.69-75, 2003-03-31

本学の図書館は,建学の理念に基づき,大学開放の一環として図書館の学外利用者のサービスの拡充を進めてきた。今回,県内の保健・医療・福祉の従事者に対する情報センター機能としての課題を明らかにするために,学外利用の登録者の利用目的,利用頻度,利用しての満足度などの実態調査を実施した。郵送法により,1次調査(2002年8月)として,登録者の概要を141人(回収率27.4%),より詳細な2次調査(2002年9月)31人(回収率77.5%)の調査結果をまとめた。回答のあった学外利用者は,看護職が最も多く,利用頻度は年3〜4回であった。図書館の利用目的は,調べ物,文献検索,図書の借用・返却であった。目的達成度は時々もあわせて達成できたが高率であり,利用しての満足度は「満足」「やや満足」をあわせた割合が約9割であった。2次調査で,数は少ないが具体的な改善内容として「貸出冊数」「図書の返却方法」「図書の種類・冊数」「カウンターサービス」など指摘されたことをこれからの図書館づくりへの検討資料して活かしていくことが重要である。
著者
吉川 洋子 飯塚 雄一 長崎 雅子
出版者
島根県立看護短期大学
雑誌
島根県立看護短期大学紀要 (ISSN:13419420)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.97-103, 2001-03-31

女子学生の社会的スキルについて,ソーシャルスキル尺度,ノンバーバルスキル尺度を用いて看護学科1年次,2年次生,教育学部1年次生,保育学科1年次生の4グループを比較した。各グループ間に有意差は認めなかった。全体について,社会的スキルと自尊感情とセルフモニタリングの関連をみた。その結果,自尊感情およびセルフモニタリング得点が高い群は低い群よりソーシャルスキル得点は有意に高かった。しかしノンバーバルスキルに関しては,有意な差はなかった。対人関係技能・能力を向上させる教育を考えていく上で,社会的スキルを高めていくだけでなく,自尊感情やセルフモニタリングも高める必要があることが示唆された。