著者
若林 明彦
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46, pp.201-209,8, 1995-10-01 (Released:2009-07-23)
参考文献数
21

Die beiden Begriffe "docta ignorantia" und "coincidentia oppositorum" bei Nikolaus Cusanus and die Idee der Humanitat bei Pico della Mirandora ubten Einfluβ auf die Humanitat bei Ernst Cassirer und den Aufbau seiner Philosophie. Auf der einen Seite entdeckte Cassirer die sym-bolische Funktion der menschlichen Erkenntnis in jenen beiden Begriffen bei Cusanus and erwies die Harmoniezwischen den verschiedenen symbolischen Formen durch ein methodisches Prinzip, "coincidentia oppositorum". Auf der anderen Seite bekam er bei Pico die Glaube an die reine Schopferkraft des Menschen and an die Autonomic dieser Schopferkraft, namlich die Idee daβ der Wille zur Gestaltung das Sein bestimmt and setzt.
著者
若林 明彦
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.703-725, 2003-12-30

環境問題を根本的に解決するための思想や哲学の構築において、日本は七〇年代に「水俣病」をその象徴とする悲惨な公害被害体験をしたにもかかわらず、欧米に比べて遅れていると言わざるを得ない。近年になってやっと、欧米の「環境倫理学」が注目され、その研究が盛んになったが、そのー方で、そうした「環境倫理学」に対抗するかのように、その倫理学的アプローチを皮相的なものとし、古代日本に見られる自然共生的エトス(心的傾向)を再生することこそが根本的な解決に繋がるとする梅原猛・安田喜憲らの「森の思想」や岩田慶治の「ネオ・アニミズム」論も注目されている。本論文では、まず欧米の環境思想の主要な理論を概観し、それらが共通して倫理学的アプローチをとっていることを指摘し、次にそれと対比的にエトスからのアプローチをとる「森の思想」や「ネオ・アニミズム」論の問題点を指摘する。最後に、両アプローチの相補的関係について述べる。