著者
小玉 幸助 大竹 伸治 森谷 就慶 若林 真衣子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-8, 2018-03-31

2017年度に内閣府が公表した『平成29年版子供・若者白書』によると、不登校児童・生徒数は、小中学生で12万5,991人、高校生は₄万9,563人であった。小中学生の不登校は増加傾向にある。不登校児童・生徒の解消には、学校と関係機関との連携が必要不可欠な状況であり、この役割を担うのがスクールソーシャルワーカー(以下、schoolsocial worker:SSW)である。SSWは小中学校および高等学校で導入されており、効果検証も行われてきている。しかしながら、スクールソーシャルワーク活用事業に関しては経済分析が行われておらず、経済効果が明らかにされていない。本研究では不登校児童・生徒解消数を公表する北海道、山形県、東京都、長野県、鳥取県、島根県、広島県、福岡県、佐賀県(以下、₁都₁道₇県)の不登校児童・生徒を対象にSSWにおける経済効果を算出することを目的に、所得を中心に経済学的視点からシミュレーション分析を試みた。
著者
若林 真衣子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.27-35, 2016-03-31

アルコール依存症(以下、ア症)者への支援は,飲酒のコントロールを取り戻す「治癒」を目指すのではなく,断酒を継続しながら社会生活を続けていく「回復」を目指すためのものであり,ア症者の自助グループ(以下、SHG)では「仲間とともに行われる自己との向き合い」を通して行われる.本研究では,「回復」過程での変化の対象として自己意識(公的自己意識〔他者の目に映った自分自身への意識〕・私的自己意識〔自分自身の内省よりとらえた自己意識〕からなる)を取り上げた.自己意識に関する項目と属性に関する項目で構成した質問紙調査を,ア症専門治療機関のア症患者94名,ア症SHG会員280名の計374名に対し行った.その結果断酒期間が長くなるにつれ,公的自己意識が下がり, 再飲酒リスクが高いほど,公的自己意識が高くなる傾向がみられた.ア症者の回復には自己意識,特に公的自己意識の低減が関係している可能性が示唆された.
著者
若林 真衣子
出版者
東京通信大学
雑誌
東京通信大学紀要 = Journal of Tokyo Online University (ISSN:24346934)
巻号頁・発行日
no.2, pp.105-117, 2020-03-31

アルコール依存症(以下、ア症)の主症状は飲酒に対するコントロール喪失であり、現在の医学では治療対象である主症状が「治癒」困難であるといわれている。しかし断酒を続ける事によって、健常成人と一見変わりない社会生活を送ることが可能である。本稿ではア症者の「回復」を支援するネットワークについて注目し、今までの実践例がなぜ有用だったのか、またどのような課題をもっているのか、「連携」そのものの展開過程・促進要因・阻害要因の観点から分析した。結果、展開過程については個人レベルの顔の見える関係性の段階とその先の広がりや連携内容の底上げの段階があり、支援対象となる地域の現状に応じてその内容が細分される可能性があること、促進要因としては研究会や事例検討会を連携体制構築の要としてきた例は多いが複数の観点からこれが有効であることなど、今までの知見・実践例について一定の根拠を示すことができた。
著者
小玉 幸助 大竹 伸治 森谷 就慶 若林 真衣子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
雑誌
保健福祉学研究 = Journal of health and social services (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-8, 2018-03-31

2017年度に内閣府が公表した『平成29年版子供・若者白書』によると、不登校児童・生徒数は、小中学生で12万5,991人、高校生は₄万9,563人であった。小中学生の不登校は増加傾向にある。不登校児童・生徒の解消には、学校と関係機関との連携が必要不可欠な状況であり、この役割を担うのがスクールソーシャルワーカー(以下、schoolsocial worker:SSW)である。SSWは小中学校および高等学校で導入されており、効果検証も行われてきている。しかしながら、スクールソーシャルワーク活用事業に関しては経済分析が行われておらず、経済効果が明らかにされていない。本研究では不登校児童・生徒解消数を公表する北海道、山形県、東京都、長野県、鳥取県、島根県、広島県、福岡県、佐賀県(以下、₁都₁道₇県)の不登校児童・生徒を対象にSSWにおける経済効果を算出することを目的に、所得を中心に経済学的視点からシミュレーション分析を試みた。