著者
草野 完也 浅井 歩 今田 晋亮 塩田 大幸 三好 隆博 簑島 敬
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

太陽フレアの発生機構について3次元電磁流体シミュレーションと太陽観測衛星「ひので」およびSDOによる観測データの解析を通して研究し、磁気中性線近傍に現れる2つの特徴的な構造を持つ比較的小型の磁場構造が太陽フレア発生のトリガとしての役割を果たすことを見出した。この小型の磁場は次期中性線上における平均場のポテンシャル成分と非ポテンシャル磁場成分に逆行する磁場成分を持つ。これらの結果は精密な磁場観測に基づいて太陽フレアの発生を決定論的に予測することが可能であることを示唆している。しかし、その予測時間は小スケールの磁場構造の変動によって数時間程度に制限されるであろう。
著者
三好 隆博 草野 完也
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.228-240, 2007-03-25

音速やアルヴェン速度を超える高速プラズマ流を伴う現象の理解と予知において計算機シミュレーションは重要な方法論である.しかし,高速流のシミュレーションにおいては,双曲型方程式の不連続解である衝撃波を正確に捉えるための工夫が必要とされる.さらに,大規模な流れの中で衝撃波の内部構造や粒子運動論効果を考察するには,マクロスケールとミクロスケールの相互作用を取り扱うための先進的な計算手法を開発しなければならない.本章では衝撃波捕獲法の基礎から最新の計算手法までを紹介するとともに,流体とプラズマにおけるマルチスケールシミュレーション研究の現状を概説する.