著者
荘司 喜博 高橋 邦夫 浅井 正 角田 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.637, pp.137-148, 1999-12-20
参考文献数
14
被引用文献数
5 1

発電事業などの副産物である石炭灰は, いまだに大量が産業廃棄物として処分されている. 石炭灰は, セメントを添加して固化し, 必要な強度をもたせることにより, 軽量で高強度な地盤材料として利用できる可能性がある. そこで, 石炭灰を固化処理した地盤から岸壁に作用する土圧の算定手法を提示し, 土圧軽減効果を評価した. また, 室内および現地で試験を行い, 配合設計と施工条件を検討した上で. 酒田港の大型岸壁建設工事で, 約5万m<sup>3</sup>の石炭灰を裏込め工事に使用した. この結果, 少量のセメント添加で (<i>c</i>/<i>w</i>=5%). 砕石に相当する土圧低減効果を発揮する裏込め (地盤強度; <i>qu</i>≧2.0kgf/cm<sup>2</sup>≒0.196N/mm<sup></sup>) が施工できること, また, 建設コスト縮減の面でも効果があることが確認された.