著者
"荻野 千鶴子 古川 智恵子 豊田 幸子 飯島 則子 池田 恭子" オギノ フルカワ トヨダ イイジマ / C. "OGINO C. FURUKAWA S. TOYODA N. IIJIMA K." IKEDA
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.24, pp.9-18, 1978-03-15

"以上女子大生の被服購入状況の調査結果をまとめると下記のようである。 1.学生の所持する衣服では,洋服がそのほとんどを占め,その製作割合は,洋服は80%が既製服であり,和服は家庭,注文製作がその大半を占め対象的にみられた. 2.流行への関心度では,女子大生は高い関心を示し,無関心は0で既製服購人の選択順位についても,和洋服ともに,サイズ,品質表示,価格などの実質面よりむしろデザイン,色・柄などの流行面の視点を第1位に選択し,流行への関心の高さがみられた.又,過去4年間の服種別流行への関心度では,ジーンズが顕著に高くみられた. 3.ジーンズ所持数大・小グループの2群にわけて意識を比較した結果,大グループは服の所持数が多くても,死蔵枚数が多く,活用枚数は少ない.又,購入時の計画性についても,小グループに比較して,無計画の傾向がみられた.流行おくれの服の処理でも,大グループはそのまま保管することが多く,小グループでは,そのまま着用したり,他人に譲ったりと活用範囲も広く,大グループに比較して効果的な衣生活運営の傾向が認められた."
著者
荻野 千鶴子 古川 智恵子 加藤 恵子 後藤 喜恵
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.27-39, 1971-03-15

高校履習課程別による,被服構成および実習における履習教材や本学における知識技能差の調査結果をまとめると,1.中学における履習教材では1年活動着では,ブラウス,3年外出着として,ワンピースは90%以上の高率をしめし,2年休養着はパジャマよりゆかたを履習した学校が多かった.高等学校においては,普通課程ではブラウス,スカートの履習教材が多く,家政課程における洋裁はブラウス,スカート,スーツ,ワンピース,ベストが多く和裁においては羽織,帯,ゆかた等が多くみられた.本学短期大学の履習教材においでは3グループともブラウス,スカート,ワンピース,ゆかたを実習細目に取り入れている.また全国短大の集計も第一報に報告したように,ブラウス,スカートは100%を越え,ワンピースは62%の履習となっている.以上の点からみてブラウス,スカート或はやや下廻るがワンピースは中学校,高等学校,短大といずれの学校においても同じ教材を取扱っているが,果してたての関連はどうなっているだろうか,生徒学生の興味の上からもこれら重複教材の取扱い方について今後研究する必要があると思われる.また一方高等学校の履習課程の違いによる入学当初の能力の差をそのままにして,普通課程,家政課程の出身者を同一クラスにおいて授業を進める場合の指導法の問題点などが今後の取り組むべき課題と考えられる.2.学生の関心度では,3グループを通じAグループが最も意識層が高く,次いでBグループで,Cグループは各段階のばらつきがみられて,意識として低くそれぞれの目的とするグループの意識の傾向がすなおに出ていると考えられた.3.技能テストを統計的にみると,入学当初は家政課程出身者が3グループとも平均値が上位であるが,穴かがりの上達度においては普通課程の入学後の技能の伸びが,各グループとも顕著にみとめられたが,家政課程出身者は入学後の伸びがそれほどみられなかった.このことは45年度の巾広い技能テスト調査をまたなければ正確な傾向は把握できない.4.知識テスト結果でも入学時はA・B・Cグループとも,家政課程出身者の方が上位であることがみとめられたが,一年後のテスト結果では3グループとも統計的にみると普通課程と家政課程の間に差はなくなり,平均値ではむしろ普通課程が高く出現した.44年度の以上の結果から入学当初は,明らかに高校の課程別による能力差が認められたが引続き45年度も更に一層能力差とその移行状態を明確にするための調査を続行中であるが,現在本学では,普通課程,家政課程出身者を区別することなく,むしろクラスの殆んどを占める普通課程に規準を置いているために,家政出身者には当初足踏状態のものもあるのではないかとも考えられる.これを解決するための指導方法へ今後は研究を深めていきたいと思うのである.本研究にあたり,実験に御協力下さった本学家政科学生に厚く感謝する.
著者
荻野 千鶴子 岩城 久美子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.109-114, 1976-03-15

以上をまとめると,中学3年女生徒は1.教科としての技術・家庭科の「好き」「嫌い」については,顕著な地域差はなく,「好き」なものは32.4%,9教科の丁度中央に位し,「嫌い」なものは11.0%で,音楽とならんで最低である.2.中学校技術・家庭科(女子向き)の内容中,「不必要」を訴えるものの最高は木材加工,最低は調理実習,ついで被服製作で,その必要度は,調査人数中,生徒は約6%,父母は,約8%である.3.被服製作のうち,学習してよかった教材としては,ワンピースドレスが最も多く全体の約半数を占め,ついでパジャマであり,スカートは,僅か5%程度である.4.被服製作については半数以上のものが「好き」であるが,「嫌い」な理由としては,「説明聞いてもわからない」「着れないから」というのが僅かながらある.つぎに父母の意見としては1. 家庭科の学校教育としての必要性を全体の93.2%のものが認めており,「不必要」と答えたものは僅か2.7%足らずである.2.必要性を認めた理由は,「将来の生活のため」「人間性育成」などがあげられている.3.現在の被服製作の程度は,「現状のままでよい」というのが72.4%以上あるが,「程度を上げてほしい」というよりむしろ「下げてほしい」との意見の方が多い.また作業方法も,生徒の能力の個人差を充分認め,家庭作業は「やむを得ない」とするもの約30%であるが,半数の人は「学校のみの作業」を望み,遅れたものへは,「先生の手伝い」も希望している.現在次期学習指導要領の改訂準備の時期でもあり,社会の世論も大切であるが,実際にこれを学ぶ生徒の意識と合わせて父母の考えも知り,現代社会における義務教育の最終段階の家庭科教育のあり方について研究し,大学教師も,中学校の実態を充分把握した上で教育実習の事前指導を行ない実習の効果をあげたいと考える.終わりに,本調査に御協力くださった東海3県下の中学校3年女生徒および,その父母ならびに家庭科の先生方に厚く感謝します.