著者
梅井 菜央 安宅 一晃 嶋岡 英輝 木西 悠紀 菅 健敬 大塚 康義 宇城 敦司
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.405-408, 2012-07-01 (Released:2013-01-16)
参考文献数
10
被引用文献数
1

発熱を初発症状とする12歳の男児が,血液分布異常性ショック,肝不全,非乏尿性腎不全を呈して来院した。血液検査は,WBC,CRP,プロカルシトニン,サイトカインの上昇を示し,重症感染による敗血症性ショックと診断した。しかし翌日,心機能低下や皮膚粘膜症状に気づき,川崎病と診断した。川崎病は乳幼児期に発症し,年長児以降の発症例はまれである。また,川崎病は免疫系の異常により高サイトカイン血症に至り,敗血症と同様の症状を呈することがある。本例のように,年長児以降に感染を疑う血液分布異常性ショックを呈した場合は,川崎病も考慮する必要がある。
著者
正垣 明 中田 潔樹 下之園 俊隆 楠本 耕平 菅 健敬
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.228-235, 2023-04-15 (Released:2023-04-15)

先天性心疾患を有する新生児に対する心臓血管外科術後は,呼吸不全や心不全などの合併症を防ぎながら運動発達を促すことが重要とされる.近年,PICS(集中治療後症候群)により小児集中治療室(PICU)退室後のQOLの低下につながる可能性が指摘されている.今回,新生児重症エプスタイン症に対するStarnes術後,長期人工呼吸管理を要した症例を担当し,呼吸循環機能を考慮しながら座位練習や上肢運動を含んだ早期作業療法を経て抜管が可能となり,家族のリハビリテーションへの参加を経て退院に至った.周術期管理中からの作業療法介入により合併症を最小限にすることで,早期退院やQOLの改善に寄与できたと考えられた.