著者
近野 正 菅原 澄夫 工藤 すばる
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.547-556, 1995-11-25
被引用文献数
17

本論文は,角速度センサとして使用される圧電形振動ジャイロスコープの設計指針の大綱について明らかにしたものである.まず,基本等価回路の提示とこれより導出した感度の近似式から,感度向上化のための設計指針や問題点などについて述べる.次いで,駆動側と検出側の共振周波数差と出力の関係を印加回転角速度が一定の場合と余弦的に変化する場合について考察し,双共振周波数設定に対する指針を示す.更に,不要な諸結合を考慮した総合等価回路について述べ,漏れ出力の影響を考慮した設計指針について示す.また,支持に関する設計指針についても述べる.最後に,各種ジャイロスコープの性能と利用分担範囲の一覧図を付記し,振動ジャイロスコープの角速度センサとしての位置づけを示す.