著者
菅野 礼司 南原 律子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.258-269, 2014-12-05 (Released:2017-02-10)

物理学は,自然科学の中で扇の要の位置にある。物理学の理論体系の構造と論理を,諸分野の相互関係を通して詳しく考察することは,自然科学を深く理解することに役立つであろう。本稿では,自然界の階層構造をふまえて,物理学諸分野を三系列に分類し,それらの相互連関を考察した。また,物理学の研究方法,理論体系の特徴,理論の完備性などについても考察した。さらに,自然科学の特性をまとめ,理論転換(科学革命)についてその論理と展開を追った。
著者
菅野 礼司
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.20, no.12, pp.799-801, 1965-12-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
23
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.101-104, 1997-04-25 (Released:2017-02-10)
参考文献数
6

近代科学の基礎にある機械論的自然観について,その成立の背景と近代力学の形成において機械論的自然観が果たした意義を考察する。目的論的自然観に代わって機械論的自然観が生まれる背景には自然科学の進歩による自然像の転換や手工業の発達などがあるが,さらにキリスト教の自然観である「神が創造し操縦する宇宙像」の影響も見逃せない。近代科学の意味での「自然法則」の概念はこのような状況のなかで確立した。特にデカルトの場合は,物心二元論と物質世界に対する機械論の根拠を神に求めた。一口に機械論的自然観といっても,その意味内容は人により異なるし,時代とともに変化してきた。どこまでを「機械論」というべきかその定義は単純ではないので検討する。最後に,近代科学における機械論に対する批判についても論ずる。
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.213-217, 2012

本誌Vol.60, No.1の特集「変位電流とは何か」で「変位電流は磁場をつくらない」と主張した2論文(鈴木・兵頭)に対して以下の問題を取りあげてコメントする。(1)変位電流は閉回路にも必要であること,(2)物理法則を表す式の因果関係にかんする解釈への疑問,そして磁場変化と誘導電流,および変位電流と磁場との因果関係,(3)電場・磁場の源と電磁波の関係について,(4)真空偏極と変位電流の実在性について。
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.290-297, 2003-12-20 (Released:2017-02-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1

自然科学は全体として一つの理論体系をなし,その扇の要に物理がある。それゆえ,理科教育は物理を基礎に据えた包括的体系として教えるべきである。その「物理を基礎とした包括理科」を組立てるための基礎概念と骨組みは,自然の階層性と,その全ての階層を貫いて成立する普遍法則であることをまず示す。自然の階層性には,物質の階層性と相互作用(力)の階層性とがある。そして,理科科目の物,化,生,地をそれら階層と対応させ,理科の四科目が「包括理科」の中で占める位置と相互関係を述べる。最後に,情報との関連にも言及する。
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.32-37, 2012-03-08 (Released:2017-02-10)
参考文献数
1
被引用文献数
4

電磁気学のマクスウェル方程式のなかの変位電流について,「変位電流」は存在せず,それは電場の時間的変化を示すだけであり,しかも変位電流が磁場をつくるという旧来の説は誤りであるという新説が,近年唱えられている。その新説の根拠とされる論理と,モデルについて吟味する。相対論的場の量子論による真空の物質性,作用伝達について相対論的遅延効果,および電磁場を媒介とする近接作用の立場を考慮すれば,その新説は疑わしい。「変位電流」は存在し,かつそれは磁場をつくると結論できる。
著者
菅野 礼司
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.45-51, 1999-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
8
被引用文献数
1

自然科学の発展過程における科学活動のダイナミックな機構とその構造を解明することは, 科学論として重要かつ興味あるテーマであろう。特に科学革命は旧理論が脱皮して, 自らとは異質の新理論を生み出すことであるから, 「自己否定的発展」である。それがいかにして可能かという課題は, 共約不可能性や理論負荷性という観点からは説明できないばかりか問題にすらなりにくい。このような理論転換が可能であるのは, 科学のサイバネティクス構造にあると思う。それについて前論文(1)で簡単に言及したが, 本稿で改めて詳しく論ずることにする。
著者
菅野 礼司
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.77-83, 1993-03-25 (Released:2009-09-04)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
菅野 礼司
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.189-195, 1992-03-25 (Released:2009-09-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
菅野 礼司
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.554-564, 1990-08-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
菅野 礼司
出版者
文理閣
雑誌
唯物論と現代 (ISSN:09151974)
巻号頁・発行日
no.41, pp.45-62, 2008-11
著者
菅野 礼司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.290-297, 2003
被引用文献数
1

自然科学は全体として一つの理論体系をなし,その扇の要に物理がある。それゆえ,理科教育は物理を基礎に据えた包括的体系として教えるべきである。その「物理を基礎とした包括理科」を組立てるための基礎概念と骨組みは,自然の階層性と,その全ての階層を貫いて成立する普遍法則であることをまず示す。自然の階層性には,物質の階層性と相互作用(力)の階層性とがある。そして,理科科目の物,化,生,地をそれら階層と対応させ,理科の四科目が「包括理科」の中で占める位置と相互関係を述べる。最後に,情報との関連にも言及する。