著者
増田 浩通 菊池 晋矢 新井 健
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.128-144, 2009
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究は,消費者の購買意欲を誘い売り上げの向上を見込める小売店舗レイアウトをマルチエージェントシミュレーション(MAS)により分析・検証することを目的とする.研究対象としてドラッグストアを取り上げる.まずエージェントの購買行動が現実に近い状態を再現するよう店舗内空間行動モデルを作成し,現実の売り上げデータを用いて各パラメータの調整をする.さらに店舗レイアウトのうち次の3要因 1.購買時点広告(POP)の設置場所, 2.広告日替り商品置き場, 3.商品棚レイアウトに着目し,消費者の店内購買行動と店舗レイアウトの影響効果をMASにより分析し,売り上げがどのように変化するかをシミュレーションをする.最後にシミュレーションした結果と顧客アンケートを比較することで,シミュレーションの妥当性の検証を試みる.