著者
菊池 良一
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.p371-452, 1987-02

農産物市場、わけても青果物市場は純粋競争市場の典型であるといわれてきた。農産物市場の純粋競争性については、どの標準的経済学教科書にも、明確に述べられており、また農業経済に関する文献でも、農産物市場の分析にあたって純粋競争の理論を適用しているものが多くみうけられる。さらに、市場競争状態を分析する際に、価格理論を応用し、市場構造と売手・買手の市場行動の側面からより一層具体的な分析を行なう産業組織論においても、農産物市場は完全ないし純粋競争市場であると規定されている。たとえば、その代表的一例として、ワイス(L.Weiss)をとりあげてみよう。「農業は、構造的には他のいかなる産業よりも純粋競争にもっとも近い。
著者
菊池 良一
出版者
明治大学政経資料センター
雑誌
資料センターニュース
巻号頁・発行日
vol.49, pp.30-31, 1990-12-07

今は亡き柳田先生と初めて言葉を交わしたのは確か大学院の研究室でした。その時の先生に対する第一印象は、「若くて気さくな感じの先生」と言うものでした。その後先生と会話をする機会も多く、また同室の誼みということもあって親しくお付合いさせていただくことになりました。先生は豊富な話題の持主で、先生との会話はなかなか興味が尽きませんでしたが、なかでも持病の抑制効果を兼ね実践されていた自転車走行の話は好んでされていました。しかしいつしか自転車の愛用者から自動車の愛用者に代わるに及んで、自然に話題も自動車に関するものへと移って行きました。先生の説によると、自動車の振動は血液の循環を促進し、持病に対して抑制効果を持つとのことです。