著者
菊田 周 近藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

新生嗅細胞の分化・成熟過程に、嗅覚入力がどのような影響を及ぼすのかを検討した。嗅上皮障害後の再生過程を観察すると、障害後14日以降で、鼻閉側の嗅上皮が薄く、嗅細胞数や成熟嗅細胞数も開放側と比較して減少していた。さらに新生細胞の成熟は、嗅覚入力期間ではなく、障害後7-14日の嗅覚入力に依存することを明らかにした。閉塞後再開放側の嗅球背側領域の匂い刺激に対する神経活動は、開放側と比較して低下しており、嗅覚入力遮断による嗅上皮障害後の組織学的な不完全再生は、嗅覚機能面にも影響を及ぼすことが明らかした。