著者
菊田 周 近藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

以下の2点を明らかにした。1)適切な時期に嗅覚入力がないと、新生嗅細胞は成熟せずに細胞死に陥る。抗カスパーゼ3抗体を用い、酵素抗体法によって障害後7、14、28日でのカスパーゼ3陽性細胞数を計測すると、鼻閉側嗅上皮でのカスパーゼ3陽性細胞数は障害後7日では開放側と比較して差を認めなかった。しかし、障害後14日以降では開放側と比較して閉塞側では増加していた。「新生する嗅細胞は、障害後7日以降に嗅覚入力を受けないと細胞死に陥る」可能性を検討するために、「障害後0-7日目までの鼻閉群」と「障害後7-14日目までの鼻閉群」の2群を作成した。障害後0-7日目までの鼻閉群では、嗅上皮の厚み、細胞数、OMP陽性細胞数で開放側と鼻閉側で有意な差を検出できなかった。しかし、障害後7-14日目までの鼻閉群では開放側と比較して嗅上皮の厚み、細胞数、OMP陽性細胞数が有意に減少していた。2)嗅上皮障害後の組織学的な不完全再生は、「新生嗅細胞の細胞死」によって引き起こされる。細胞死に陥る細胞(カスパーゼ3陽性)は、未熟な嗅細胞であった。さらに、この未熟な嗅細胞の細胞死阻害のため、メチマゾール投与1週間後から、カスパーゼ阻害剤(80㎎/kg)を隔日で腹腔内投与すると、カスパーゼ阻害剤投与群と投与なし群(10%DMSO)において、鼻閉側でのカスパーゼ3陽性細胞数は開放側と比較して有意に増加していた。

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こんな研究ありました:嗅覚入力が新生嗅細胞の成熟過程に及ぼす影響の検討(菊田 周) http://t.co/glsxZROPEN

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