55 4 2 1 OA 感冒後嗅覚障害

著者
近藤 健二
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.271-277, 2014-07-25 (Released:2018-02-13)
参考文献数
54
被引用文献数
1

感冒後嗅覚障害は,上気道のウィルス感染罹患後に上気道炎症状が消失したあとも嗅覚障害が持続する状態である.発症は中高年齢の女性に多く,嗅神経上皮および中枢嗅覚伝導路の傷害による神経性嗅覚障害と考えられている.内視鏡検査,画像検査では異常を認めず,上気道炎罹患後に嗅覚低下を自覚したという病歴が本疾患の診断の決め手となる.基準嗅力検査では中等症以上が大半で高度低下,脱失例が半分以上を占める.治療は本邦では亜鉛製剤,漢方製剤,ステロイド点鼻および内服,ビタミン製剤,代謝改善剤などが使用されている.また嗅覚トレーニングが回復に有効との報告もある.機能回復には長期間(1年以上)かかることが多い.
著者
近藤 健二
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.68-70, 2014 (Released:2014-07-19)
参考文献数
9
著者
藤枝 重治 坂下 雅文 徳永 貴広 岡野 光博 春名 威範 吉川 衛 鴻 信義 浅香 大也 春名 眞一 中山 次久 石戸谷 淳一 佐久間 康徳 平川 勝洋 竹野 幸夫 氷見 徹夫 関 伸彦 飯野 ゆき子 吉田 尚弘 小林 正佳 坂井田 寛 近藤 健二 山岨 達也 三輪 高喜 山田 奏子 河田 了 寺田 哲也 川内 秀之 森倉 一朗 池田 勝久 村田 潤子 池田 浩己 野口 恵美子 玉利 真由美 広田 朝光 意元 義政 高林 哲司 富田 かおり 二之宮 貴裕 森川 太洋 浦島 充佳
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.728-735, 2015-06-20 (Released:2015-07-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

これまで本邦における慢性副鼻腔炎は好中球浸潤が主体で, 内視鏡鼻副鼻腔手術とマクロライド少量長期投与にてかなり治療成績が向上してきた. しかし2000年頃からそれらの治療に抵抗性を示し, 易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた. この副鼻腔炎は, 成人発症で, 嗅覚障害を伴い, 両側に鼻茸があり, 篩骨洞優位の陰影があった. 末梢好酸球も多く, 気管支喘息やアスピリン不耐症の合併もあった. このような副鼻腔炎の粘膜には多数の好酸球浸潤が認められていたため, 好酸球性副鼻腔炎と命名された. 好酸球性副鼻腔炎は, 徐々に増加傾向を示してきたが, 好酸球性副鼻腔炎の概念, 診断基準はあまり明確に普及していかなかった. そこで全国規模の疫学調査と診断ガイドライン作成を目的に多施設共同大規模疫学研究 (Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis Study: JESREC Study) を行った. その結果, 両側病変, 鼻茸あり, CT 所見, 血中好酸球比率からなる臨床スコアによる簡便な診断基準を作成した. さらに臨床スコア, アスピリン不耐症, NSAIDs アレルギー, 気管支喘息の合併症, CT 所見, 血中好酸球比率による重症度分類も決定した. 4つに分類した重症度分類は, 術後の鼻茸再発と有意に相関し, 最も易再発性かつ難治性の重症好酸球性副鼻腔炎はおよそ全国に2万人いることが判明した. 治療法については経口コルチコステロイド以外まだ確立されておらず, 早急なる対応が急務と考えている.
著者
菊田 周 近藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

新生嗅細胞の分化・成熟過程に、嗅覚入力がどのような影響を及ぼすのかを検討した。嗅上皮障害後の再生過程を観察すると、障害後14日以降で、鼻閉側の嗅上皮が薄く、嗅細胞数や成熟嗅細胞数も開放側と比較して減少していた。さらに新生細胞の成熟は、嗅覚入力期間ではなく、障害後7-14日の嗅覚入力に依存することを明らかにした。閉塞後再開放側の嗅球背側領域の匂い刺激に対する神経活動は、開放側と比較して低下しており、嗅覚入力遮断による嗅上皮障害後の組織学的な不完全再生は、嗅覚機能面にも影響を及ぼすことが明らかした。