- 著者
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佐藤 雪太
萩原 未央
山口 剛士
湯川 眞嘉
村田 浩一
- 出版者
- 社団法人日本獣医学会
- 雑誌
- The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
- 巻号頁・発行日
- vol.69, no.1, pp.55-59, 2007-01-25
- 被引用文献数
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日本の野鳥に感染が見られたロイコチトゾーン(Leucocytozoon spp.)の分子系統関係の解析を試みた.血液塗沫観察によりロイコテトゾーン感染を確認した北アルプス立山および爺ヶ岳に生息するライチョウ9個体および兵庫県内で保護された野鳥7種13個体(ハシブトガラス4羽,ハシボソガラス2羽,コノハズク2羽,ヤマドリ1羽,イカル1羽,ホンドフクロウ1羽,ヒヨドリ2羽),計22個体の血液からDNAを抽出した.次いでロイコチトゾーンのミトコンドリアチトクロームb(cytb)の部分塩基配列に基づきプライマーを設計し,nested PCRで特異的増幅を試み,増幅産物のシーケンスを決定して配列比較を行った.その結果,ライチョウ9個体すべて(100%),その他の野鳥(ハシブトガラス,ハシボソガラス,イカル,ヒヨドリおよびコノハズク)13個体中11個体(84.6%)でPCR増幅が見られた.増幅されたcytb部分塩基配列約465bpを用いて系統樹を構築したところ,ライチョウと他鳥種寄生のロイコテトゾーンとの間で大きく分岐した.本研究は,日本における野鳥寄生ロイコチトゾーンを分子系統学的に解析した初めての報告である.