著者
落合 太郎
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.192-197, 2010-03-01
参考文献数
2
被引用文献数
2

To colour-deficient drivers, red and yellow traffic signals are indistinguishable. The solution is to mark an "X" on red signals that can be seen at 100m only by colour deficient drivers, while drivers with normal vision cannot see it. This elegant design exhibits the inverse "Ishihara's Test" concept; an ironic phenomenon in which the colour blind show relatively higher luminous efficiency in the shorter range (i.e., blue) than in the longer range (i.e., red) of wavelengths, which means that the similarly observed colour combination of red and red purple will be observed as if strongly contrasted "opaque and dull brown" and "clear blue." Then, the experiment found a specific "X" pictograph that all colour blind persons could observe but that none of the people with normal vision could see from 100m.
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.83, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究は音楽が時間経過の感覚にどのように影響を与えるか?という命題を簡単な実験によって検証したものである。音楽が人の情緒に直接作用することは経験上誰もが知っていることであるが、これが時間経過の感覚にどのように作用するかはまだ解っていない。西洋音楽の3要素であるテンポ、ハーモニー、メロディをはじめ印象や音の高さが、どのように実際の時間経過時間と感覚時間の差となって表れるかを検証した。誰もが知っているモーツアルト「きらきら星」(k.265/K.300e)の主題と12の変奏曲のなかから特徴的な9曲を選定していずれも60秒に編集し、感覚時間等を18名の被験者に聞いた。全曲が同じ時間であることは被験者に伝えず、曲の要素を変えながら感覚・イメージへの影響をアンケートで設問した。仮説としては、速いテンポの曲が短い時間経過を感じると想定した。しかし結果は真逆で、静かでスローな曲は時間経過が短く、ダイナミックでアップテンポな曲は時間経過を長く感じさせた。2011年に著者らが発見した「逆浦島時間」の仮説と符合して、音楽が感覚を活性化して「逆浦島時間を誘発する」という結果となった。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_71-2_80, 2016-07-31 (Released:2016-11-15)
参考文献数
11

直接情緒に働きかける音楽は,人の時間経過の感覚に影響を及ぼすと考えられ,モーツアルトのK.265/K.300eキラキラ星変奏曲が同じメロディで12の異なる様式に演奏されている点に注目して感覚時間比の測定を行った。予想と異なり,静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。
著者
落合 太郎
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.1, 2013 (Released:2013-06-20)

世界初となるユニバーサルデザイン信号灯の公道上における社会実験を2012年1月27日から3月30日の間、福岡県警察本部および福岡ビジネス創造センターと著者が共同で実施した。赤信号に埋め込まれた「×」印が健常者には気にならない程度のものが、色覚障碍者にはよりくっきりと見えて、止まれの意味が良く伝わるという基本コンセプトを提示した。アンケート調査では、有効回答数257の約94%が賛成意見であった。赤灯に「×」印は適合する組合せと受けとめられ、輝度差による図示には違和感が少なく、色覚障碍者が安全に運転できる信号は必要であるという総意を得た。色覚障碍者から多数寄せられた意見からは3灯式より1灯点滅式信号灯が難問であり、優先するニーズであることが分かった。
著者
落合 太郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.4_29-4_34, 2013-11-30 (Released:2014-01-25)
参考文献数
10

世界初となるユニバーサルデザイン信号灯の公道上における社会実験を2012年1月27日から3月30日の間、福岡県警察本部および福岡ビジネス創造センターと著者が共同で実施した。赤信号に特殊なLEDで埋め込まれた「×」印が健常者には気にならない程度の存在であるのに対し、色覚障碍者にはよりくっきりと見えて、止まれの意味が良く伝わるという基本コンセプトを提示した。アンケート調査では、有効回答数257の約94%が賛成意見であった。赤灯に「×」印は適合する組合せと受けとめられ、輝度差による図示には違和感が少なく、色覚障碍者が安全に運転できる信号は必要であるという総意を得た。一方「×」印は昼間より夜間で見えにくかったため、青色光の割合の再調整と当該LEDレンズ性能の改良点が見つかった。色覚障碍者から多数寄せられた意見からは3灯式より1灯点滅式信号灯が難問であり、優先するニーズであることが分かった。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

2014年に実施した音楽が時間経過に及ぼす影響を測る実験結果では、静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究は音楽が時間経過の感覚にどのように影響を与えるか?という命題を簡単な実験によって検証したものである。音楽が人の情緒に直接作用することは経験上誰もが知っていることであるが、これが時間経過の感覚にどのように作用するかはまだ解っていない。西洋音楽の3要素であるテンポ、ハーモニー、メロディをはじめ印象や音の高さが、どのように実際の時間経過時間と感覚時間の差となって表れるかを検証した。誰もが知っているモーツアルト「きらきら星」(k.265/K.300e)の主題と12の変奏曲のなかから特徴的な9曲を選定していずれも60秒に編集し、感覚時間等を18名の被験者に聞いた。全曲が同じ時間であることは被験者に伝えず、曲の要素を変えながら感覚・イメージへの影響をアンケートで設問した。仮説としては、速いテンポの曲が短い時間経過を感じると想定した。しかし結果は真逆で、静かでスローな曲は時間経過が短く、ダイナミックでアップテンポな曲は時間経過を長く感じさせた。2011年に著者らが発見した「逆浦島時間」の仮説と符合して、音楽が感覚を活性化して「逆浦島時間を誘発する」という結果となった。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.11, 2016 (Released:2016-06-30)

2014年に実施した音楽が時間経過に及ぼす影響を測る実験結果では、静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。