著者
葛原 隆
出版者
徳島文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

フラーレン派生化合物群にインフルエンザエンドヌクレアーゼ阻害活性と抗インフルエンザ活性があることを見いだした。また葛根湯、麻黄湯、柴胡桂枝湯、桂枝湯、小柴胡湯、及び麻黄附子細辛湯の漢方薬エキスがPAエンドヌクレアーゼ活性を阻害した。竹如温胆湯には阻害活性は見いだされなかった。フラーレン派生化合物群や漢方薬がPAサブユニットのエンドヌクレアーゼ活性を阻害することを見いだしたのは本研究が世界で初めてである。さらに天然型バクチオールは、インフルエンザウイルス感染阻害効果を有することを示した。天然型バクチオール処理により細胞内酸化ストレス応答の遺伝子発現が上昇することも解明した。
著者
葛原 隆
出版者
徳島文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

抗インフルエンザウイルス化合物を探すために、ウイルス株間で保存性の高い、インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼ内のエンドヌクレアーゼの阻害化合物の探索を行った。インフルエンザRNAポリメラーゼのエンドヌクレアーゼドメインタンパク質を精製し、サリドマイドアナログ化合物・コケ由来の天然物であるマルカンチン・緑茶カテキンがこのエンドヌクレアーゼ阻害活性を有し、抗インフルエンザ活性を有することを見いだした。
著者
菅沼 雅美 葛原 隆
出版者
埼玉県立がんセンター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ピロリ菌が分泌する発がん因子Tipαの受容体としてヌクレオリンを同定した。ヌクレオリンは本来核小体に局在するタンパク質であるが、胃がん細胞では異常に細胞表面に局在したヌクレオリンがTipαの受容体・輸送体として機能し、TipαによるTNF-α遺伝子発現亢進に関与することを明らかにした。胃がんの発症過程でヌクレオリンが細胞表面に異常に局在した細胞にTipαが作用してがん化を促進すると解釈する。ヌクレオリンとTipαとの相互作用は新しい胃がん発症機構である。