- 著者
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佐藤 一朗
槇村 浩一
蓮見 弥生
西山 彌生
内田 勝久
山口 英世
- 出版者
- 日本医真菌学会
- 雑誌
- 日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 第52回 日本医真菌学会総会・学術集会 (ISSN:09164804)
- 巻号頁・発行日
- pp.73, 2008 (Released:2009-03-06)
【目的】真菌症は免疫力の低下した患者にとって重篤な症状を起こす病害である。そのため、免疫力の低下した患者における微生物叢とその薬剤耐性を定期的に把握する必要がある。我々は外来患者の外耳道から新規Candida属酵母を得たので報告する。【材料および方法】国内病院での外来患者の外耳道から採取した耳漏スメアを分離源とした。純粋分離菌株の26S rDNA D1/D2領域(26S)および ITS1+5.8S rDNA+ITS2領域(ITS)を用いた分子系統分類を行った。そのほかの試験項目はThe Yeasts 4th edに順じた。【結果および考察】純粋分離菌JCM15448株は26Sの相同性がCandida haemulonii CBS5149T とは85.7%、C. pseudohaemulonii CBS10099Tとは83.0%であった。ITSはそれぞれ84.9、81.4%であり、系統樹ではCandida属に分類されたが同一な種は認められなかった。本菌株は42℃およびビタミンフリー培地で生育陽性であり、Candida属としては特徴的な培養性質を示した。その他の培養性質から本菌株はグループ VI(イノシトール・硝酸カリウム・エリスリトール陰性、40℃陽性)に分類された。本グループはC. albicansをはじめ病原性が報告されている種が複数属しているが、本菌株の病原性は不明である。ボリコナゾール・イトラコナゾール・フルコナゾール・フルシトシンに対する感受性は既知の種と差が認められなかった。これらの結果から本菌株をCandida属の新種と判断した。