著者
藤井 千惠 榊原 久孝 古田 真司
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

児童生徒の健康調査および追跡調査、さらに子どもと保護者の健康調査を実施して、その結果を踏まえた家族の生活習慣病予防教育を実践した。その結果、児童生徒の過体重者ではインスリン抵抗性が認められ、小児期からの適切な体重管理の重要性が示唆された。子どもとその両親では、体格、血圧・血液検査結果、生活習慣で有意な正の相関が認められ、児童生徒の健康状態には遺伝的な背景とともに生活習慣の積み重ねやさらに親の生活習慣が大きく影響を与えている可能性が示された。子どもと保護者を主体とする家族の生活習慣病予防教育を学校における保健教育の一環として位置づけ、家庭・学校・地域連携により協働で実践する必要性が示された。
著者
柴田 早苗 寺西 裕美子 藤井 千惠子 長濱 勝治 村田 桃代 山本 明弘
雑誌
明治国際医療大学誌 = The Bulletin of Meiji University of Integrative Medicine (ISSN:18841414)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-13, 2014-09-30

多くの女性にとって化粧は,精神的満足や自尊感情を高めるための重要な行為だといわれるが,入院が長期化しがちな精神科病院においては,社会生活から遠ざかる中で,化粧に対する関心や欲求そのものが希薄になり,それがまた,医療者側の化粧への配慮を失わせて行くという負の循環を生み出してきた.しかしながら,化粧には,陰性症状,協調性,自発性等の改善効果があることや,「自・他の関心」や「女性としての生き方を考える」などの変化をもたらすという報告がある.そこで本研究では,統合失調症により精神科閉鎖病棟に入院する女性10名(希望者)を対象に化粧会を実施し,化粧による日常生活行動(ADL:activity of daily living)への影響について検討した.その結果,化粧は,ADL評価点を向上させ,さらにその効果は化粧会実施後も持続することが認められた.化粧には統合失調症を持つ女性の現実感覚を回復させ,ADLを改善する効果のあることが示唆された.(著者抄録)