著者
藤井 誠一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.29-42, 2022-03-31 (Released:2023-06-01)
参考文献数
41

これまでの行政改革では、人員削減のためエッセンシャル・ワーカーたちを非正規化や民間委託化してきた。結果、不測の事態への対応力が乏しい公共サービス提供体制となってしまった。本稿では、これまでの行政改革を支えてきた「評価」に着目し、①地方自治体が取り入れてきた「評価」の変遷を把握し、②そこで行われていた「評価」についてメタ評価を行い、③エッセンシャル・ワーク評価を実質化させていく手段について検討した。 住民に近いところで公共サービスを提供するエッセンシャル・ワークの評価には、「安心」「安全」を規準にしたプログラム評価を行い、そこで発生する問題や課題を発見して解決し、公共サービスが滞りなく提供できる状態を保てるように対策を講じていく必要がある点を指摘した。また、エッセンシャル・ワーク評価をプログラム評価へと変えていくために、評価者、被評価者、住民のそれぞれの立場で求められるあり方を提示した。
著者
藤井 誠一
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.141-151, 2012-02-25 (Released:2017-05-25)

新製品開発プロジェクトにおけるプロダクト・チャンピオンの研究は,米国,独国,韓国では進んでおり,国による比較も行われているが,日本での研究は皆無に等しい.プロダクト・チャンピオンは,プロジェクト・マネジャーと並び,新製品開発を成功に導く重要なキーマンとして取り上げられており,日本企業においてその存在を確認することは,非常に意義深いと考えられる.そこで,先行研究をレビューしてプロジェクト・マネジャーとプロダクト・チャンピオンの関係性を整理した上で,公開情報により探索的調査研究を行った.その結果,日本企業におけるプロダクト・チャンピオンの存在を確認することができたと同時に,その活動,人物像,シニアマネジメントの位置づけ,に代表されるこの分野の研究の端緒となる結果が得られた.