著者
藤原 次男
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.19-24, 1977-05-15

マシジミの生殖期間は長期にわたるので発生時期の違いにより稚貝の成長の様子は非常に異なる。5月下旬に発生した稚貝の成長は次のようにまとめられる。1. 5月下旬に発生した稚貝はその年度内に生殖腺が成熟し, 満1年以内に成貝に成長する。2. 孵化直後のD型幼生は殻長0.18mmから0.22mmであり, 孵化後, 約10日間はほとんど成長しない。殻長約0.6mmに達すると水管が完成し, 殻長約1.6mmに達するころから泥中より水管を出し摂餌する。3. 稚貝の成長速度は一様でなく成長につれて変化し, 軟体部の形態変化と深く関係する。成長速度の変化点は殻長約0.6mm, 3mm, 10mmの時期であり, 殻長約0.6mmの時期に水管が完成し, 殻長約10mmの時期に生殖腺が成熟を始める。
著者
藤原 次男
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.22-28, 1978 (Released:2018-01-31)
被引用文献数
1

Though gonad of Corbicula leana PRIME is in maturity all the year round, spawning takes place exclusively at the time when mean maximum water temperature for ten days is maintained more than 19℃. Even in the winter season, ovulation takes place if the minimal water temperature is kept above 19℃, and the spawned eggs grow up to D-shaped larvae. Therefore, this freshwater clam is productive all the year round if under a favorable temperature condition. Such a high temperature preference of this species suggests that Corbicula leana PRIME may be of tropical origin. Ovulating activity continues to few hours in the morning or in the evening. The temperature for the natural spawning varies by season, namely, 15℃-17℃ in April, while 18℃-22℃ during June to September. Maximal frequency of ovulation for a mother shell of shell length 25 mm has been six, and the mean for the whole population is two. The interval between successive ovulation is 103 days in maximum and 8 days in minimum. In the most case, it is about 30 days. Mother shell of shell length about 40 mm ovulates only once.
著者
平野 克己 藤原 次男
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.183-189, 1987-12-01 (Released:2010-03-09)
参考文献数
9

宮崎県小林市郊外にある実験田 (100×200cm) で, 1975年5月から1983年8月までの8年2ケ月間, マシジミを飼育し, マシジミの成長と寿命について観察した。得られた結果を要約すると次のようになる。1) マシジミの殻長の成長には, 平均殻長13, 21及び25mm前後に変曲点がある。殻長と孵化後の経過日数との間に, 一次式で表される成長式が成立した。2) 飼育観察したマシジミの最大寿命は8年2ケ月, 最大殻長は33.3mmであった。3) 孵化後1年で平均殻長は15.6mmに達し, 全成長量の約半分を1年間で成長した。4) 一方, 小林市郊外の野外池で最大殻長54mのマシジミを採集した。この大きさに達するまでの日数は成長式から17年前後, 又は, それ以上と計算される。マシジミを含み他のシジミ貝の寿命についても再検討する必要がある。5) 満4歳未満のマシジミの成長は, 水温の影響を著しく受け, 高温期に約85%, 低温期に約14%の年間平均成長率であった。