著者
中林 亮 吉岡 武雄 泉川 智子 藤岡 昭三 木村 靖夫
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会 研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.55, 2005-10-13 (Released:2018-02-15)

Ailanthus altissima has been known to be allelopathic plant since no plant can grow under the tree. Heisey et al (1990) showed that crude extracts of root and stem bark of A. altissima exhibited strong herbicidal activity. We confirmed plant growth inhibitors against Lactuca sativa in the aqueous extract of A. altissima bark. The compound was isolated and identified to be ailanthone known as quassinoid or allelopathic substance. Here, we report plant growth activities of ailanthone against Lactuca sativa, Pariucam crus-galli, Raphanus sativa L. and Daucus cavota L. in detail.
著者
桜井 成 藤岡 昭三
出版者
理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1.ブラシノステロイドの新たな生合成経路ニチニチソウ培養細胞の内生ブラシノステロイドとして、これまでに同定された6位にケトン基をもつ一連のブラシノステロイドのほかに、6-デオキソ系のブラシノステロイドの存在を見い出した。このことは、先に我々が実証した6位がまず酸化されてからブラシノステロイドが生成する経路、"早期C6酸化経路"、とは異なる新たな経路も、この培養細胞で働いていることを示している。重水素ラベルの6-デオキソ系ブラシノステロイド中間体を培養細胞に与え、その代謝をGC-MS分析により追究した結果、6-デオキソティーステロンが、3-デヒドロ-6-デオキソティーステロン、6-デオキソティファステロールを経て6-デオキソカスタステロンに変換された後、6位が酸化されてカスタステロン、ブラシノライドが生成する'後期C6酸化経路"が明かとなった。2.シロイヌナズナ(アラビドプシス)のブラシノステロイド生合成変異株最近、ブラシノステロイドを欠損したアラビドプシスの矮性変異株が見い出され、det2変異株については、DET2遺伝子が哺乳動物のステロイド還元酵素とホモロジーのあることが明かにされている。J.Choryのグループと共同研究により、det2変異株と野生株との内生ステロイドを調べたところ、det2ではカンペスタノールのレベルが野生株に比して著しく低く、det2変異株は、ブラシノライド生合成の最初の前躯体であるカンペステロールをカンペスタノールに変換する段階が欠損しているものと推定された。今後、これら変異株を用いた解析により、ブラシノステロイドの生合成酵素やその発現調節に関して分子レベルでの追究へ展開を図りたい。