著者
河原 功志 篠原 拓嗣 藤川 賢治 大久保 英嗣 津田 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.39-40, 1995-09-20

分散OSは従来のネットワークOSとは異なり、ユーザにネットワークの物理的配置を意識させないネットワーク透過性を実現している。ネットワーク透過性には位置透過性など様々な概念が含まれるが、規模透過性の実現をも分散OSには求められている。規模透過性とは分散システムの稼働中においても計算機の台数を増減することが可能で、かつ、システム構成の変更をユーザに意識させない性質である。本稿では規模透過性の実現する手法としてサイトの追加・切り離し方式を提案し、我々が現在開発中の分散OS DM-2に実現した。これらの機能によってDM-2は実行中のタスクを消滅や中断させずに、任意のサイトを停止して切り離したり追加して起動したりできるようになる。本稿ではサイトの動的な追加・切り離し機能を実現するために必要なローカルスタート・ローカルシャットダウン機能を提案する。
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.86, pp.57-62, 2009-06-11

本稿では階層化QoSルーティングプロトコルHQLIPにおける広告メッセージ削減手法を説明し評価を行う。HQLIPでは「より悪い情報」か「同じかより良い情報」によって広告間隔を変化させることで、過大広告を禁止しつつ広告頻度を低く一定に保つ。HQLIPの広告手法によりシグナリング開始後の失敗を排除する広告量削減が可能となり、クランクバックが不要となる。
著者
古村 隆明 藤川 賢治 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.309, pp.49-53, 2006-10-16
参考文献数
11
被引用文献数
2

みあこネットは,無線基地局の設置者が費用を負担し,そこを訪れる利用者に無料の無線インターネットを利用してもらうという,「おもてなし」の心をもとにした独特のモデルで成り立っている公衆無線インターネットプロジェクトである.我々は2002年5月からみあこネットの設計・開発・実験運用を行ない,安全に無線インターネットを利用するためにVPN接続を必須とするネットワーク環境を構築した.本稿では,従来の集中型VPNサーバを利用する「みあこネット2」方式の問題点を明らかにし,VPNサーバの分散について検討を行なった.そして,基地局にVPNサーバ機能を内蔵するという,「おもてなし」の心でみあこネットを支えている基地局設置者にとっても有益な「みあこネット3」のモデルを提案し,設計を行った.
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.260, pp.29-34, 2010-10-21

インターネットの大域経路表の増加を抑えるには、徹底した階層化アドレスと、経路制御に依らないマルチホームが必要である。経路制御に依らないマルチホームは、末端サイトだけで無く、中間レベルのISPやローカルISPが複数の上流からアドレス空間を取得し、それらを活用することで可能である。このようなマルチホームを我々はEnd-to-endマルチホームと呼んでいる。本稿ではEnd-to-endマルチホームを考慮しルータの手動設定を削減した階層的なアドレス割当プロトコルとしてHierarchical Automatic Number Allocation(HANA)プロトコルを設計し実装する。またDNSとの連携についても議論する。