著者
太田 昌孝
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.57-69, 2005-01-14

本論は、1、詩「白い鳥」に見られる宮沢賢治の宗教観について、と、2、宮沢賢治作品の原風景としての安倍氏の興亡(白鳥伝説)とに分けられる。1においては大正11年11月の、妹宮沢トシの死を契機に賢治の宗教観(死後観)が如何に推移したかを、詩「白い鳥」の作品分析を行うことにより明らかにした。それによると、「白い鳥」制作時(大正12年6月)における賢治は未だトシの死がもたらした喪失感から抜け出す気配はなく、『古事記』に描かれている倭建命の死後の姿に仮託する形でトシの死を受け止め、やがて賢治が立ち向かうことになる、「青森挽歌」での、トシの死の意味づけとは遠い境地にあることを考察した。また、2においては、岩手に生まれ、岩手に生きた宮沢賢治の意識の原風景の中に刷り込まれていると考えられる、前九年の役における安倍一族の興亡の現実と賢治の作品への影響を、具体的な作品を提示することにより論考した。宮沢賢治の作品(詩)に前九年の役(安倍氏の興亡)を明らかに表しているものは発見できなかったが、それをイメージの源泉にしていると考えられる作品は幾つか提示した。加えて、前九年の役に内包されている〈白鳥伝説〉と賢治詩との相関についても若干の考察を試みた。
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.171, pp.35-38, 2011-07-25
被引用文献数
1

一般に万能チューリングマシンによる計算は,計算途中で情報を失わないようにすれば可逆とすることができる.熱は情報が失われた時にのみ発生するからである.一時的にエネルギーが必要な場合も,後に計算過程を逆転させれば回収できる.同様に可逆なルータを作成することができるが,さらに,パケットにソースルーティング情報等を含ませ,各ルータを保存的,つまり入出力されるパケットの0と1の数を変化させないようにすれば,消費電力0のルータが実現可能であることを,光による実装を念頭に,示す.バッファとしては,SRAMでは可逆には程遠いが,光ファイバ遅延線はほぼ理想的な可逆,保存的バッファとなる.
著者
金生 由紀子 太田 昌孝
雑誌
発達障害研究 (ISSN:03879682)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.23-29, 1994-05-15

1 0 0 0 Y-00 is Broken

著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.84, pp.67-68, 2008-06-05

量子暗号系Y-00は、共有秘密鍵により生成された擬似乱数と信号ビットに基づく位相角(偏光角)を持つ中規模の数の光子を使う。角度の量子論的不確定性により擬似乱数の値を知らない者にとっては信号ビットそのものの復元は難しい。しかし、不確定性を含んだ角度の測定でも擬似乱数の情報が大幅に漏れるため、プライバシー増幅が行えない。つまり、Y-00は破綻している。
著者
太田 昌孝
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.57-69, 2005-01-14

本論は、1、詩「白い鳥」に見られる宮沢賢治の宗教観について、と、2、宮沢賢治作品の原風景としての安倍氏の興亡(白鳥伝説)とに分けられる。1においては大正11年11月の、妹宮沢トシの死を契機に賢治の宗教観(死後観)が如何に推移したかを、詩「白い鳥」の作品分析を行うことにより明らかにした。それによると、「白い鳥」制作時(大正12年6月)における賢治は未だトシの死がもたらした喪失感から抜け出す気配はなく、『古事記』に描かれている倭建命の死後の姿に仮託する形でトシの死を受け止め、やがて賢治が立ち向かうことになる、「青森挽歌」での、トシの死の意味づけとは遠い境地にあることを考察した。また、2においては、岩手に生まれ、岩手に生きた宮沢賢治の意識の原風景の中に刷り込まれていると考えられる、前九年の役における安倍一族の興亡の現実と賢治の作品への影響を、具体的な作品を提示することにより論考した。宮沢賢治の作品(詩)に前九年の役(安倍氏の興亡)を明らかに表しているものは発見できなかったが、それをイメージの源泉にしていると考えられる作品は幾つか提示した。加えて、前九年の役に内包されている〈白鳥伝説〉と賢治詩との相関についても若干の考察を試みた。
著者
立松 英子 太田 昌孝
出版者
東京福祉大学・大学院
雑誌
東京福祉大学・大学院紀要 (ISSN:18837565)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.123-131, 2012-03

保育や特別支援教育では、発達過程をふまえた指導計画の作成や実践が強く求められている。本研究は、シンボル機能と視覚-運動機能を指標とした独自の評価法「LDT-TOB」の発達的意義を確認しつつ、認知発達と日常行動との関係を明らかにすることを目的とした。対象は、定型発達児481名(平均年齢4歳4ヶ月)と知的障害児615名(11歳11ヶ月)で、知的障害児群には自閉症スペクトラム(ASD)を伴う対象が約半数含まれていた。LDT-TOBと「改訂行動質問票(CBQ-R)」、「本郷一夫版『気になる』行動質問票」を実施し、シンボル機能の5Stage、視覚-運動機能の6タイプと年齢、言語表出、診断、行動との関係を検討した。LDT-TOBの結果と年齢や言語表出等の発達指標とは強く関係していた。また、それらの水準と行動との強い関係が明らかになった。
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.86, pp.57-62, 2009-06-11

本稿では階層化QoSルーティングプロトコルHQLIPにおける広告メッセージ削減手法を説明し評価を行う。HQLIPでは「より悪い情報」か「同じかより良い情報」によって広告間隔を変化させることで、過大広告を禁止しつつ広告頻度を低く一定に保つ。HQLIPの広告手法によりシグナリング開始後の失敗を排除する広告量削減が可能となり、クランクバックが不要となる。
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.236, pp.59-64, 2005-08-12
参考文献数
11
被引用文献数
34

光スイッチの真価は、波長多重などで利用可能な全帯域を個々のパケットの伝送に利用しその帯域全てを同時にスイッチすることで発揮される。1500Bのパケットを1Tbpsで伝送すると12nsだが、ナノ秒程度で動作する高速な光スイッチが実用化されつつあり、ナノ秒程度では制御は電子回路で十分間に合うので、全光データパスルータの実現が視野に入ってきた。その全光データパスルータを構成するために必要ないくつかの要素について検討した。平均パケット長500Bとパケット間隔6nsで、1Tbps(平均実効速度400Gbps)4ポート全光データパスルータは256個の1:2光スイッチから構成でき、その消費電力は640Wとなる。
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.276, pp.17-21, 2012-10-30

送信側と受信側のクロック周波数の差が小さければ,受信信号を可変遅延線に通しDLLで受信側クロックに位相同期させることで,受信信号と受信側クロックの位相のずれが可変遅延線の可変範囲の間,クロック回復なしのデータ回復が行える.この方式は位相同期維持時間が短いパケット通信に有効で,特に,各波長に含まれるビット数が少なく迅速なクロック同期が必要な多波長パケットに有効である.同様に,送信側と受信側のLOの周波数の差が小さければ,受信光を可変遅延線に通しDLLで受信側LOに位相同期させることで,アナログコヒーレント受光も行える.
著者
朝長 康介 太田 昌孝 荒木 啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.115, pp.127-132, 2002-11-28

ユビキタス環境において、携帯端末の位置情報はそのユーザの位置を表す。この位置情報を複数個組み合わせれば、複数の携帯端末ユーザが位置に基づいて協調するためのグループウェアが実現できる。本論文では、このグループウェアに位置情報を提供するためのプロトコルLBGPを設計し、この応用を提案する。応用としては、地理的に周囲の人に話しかける文字チャットや,自分の位置情報を望む相手に通知するサービスがある。この応用は、LBGPとエニキャストを用いた位置依存サービスを組み合わせることで容易に実現できる。In ubiquitous computing environment, location information of portable devices indicates location of the device users. Therefore, location based groupware can use location information of portable devices as their user's location information. This paper presents a protocol which defines how portable devices embed their location information into a URL. By using this protocol, portable devices can submit their location information on HTTP. This paper also presents applications of the protocol such as chat system which allow users to chat with people around them.