著者
藤森 実
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

抗癌剤の全身投与は重得な副作用を有しており、腫瘍選択的治療法の開発が急務である。われわれは固形癌の腫瘍内が正常組織に比べて嫌気的環境であることに着目し、乳酸菌の1種であるラクトバチルス・カゼイを用いて固形腫瘍への集積性と増殖抑制効果を検討した。その結果、偏性嫌気性菌であるKJ686菌は固形腫瘍に特異的に集積し正常組織では排除されていた。KJ686菌は腫瘍選択的デリバリーシステムとして有用であり高い治療効果が期待できる。