- 著者
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林 秀樹
武井 祐子
藤森 旭人
竹内 いつ子
保野 孝弘
- 雑誌
- 川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.1, pp.1-11, 2016
本論文では,非定型うつ病に関する研究の動向を調べ,その背景について検討した.まず,非定型うつ病に関する文献数の推移を概観したところ,非定型うつ病に関する研究が増加傾向にあることが 明らかになった.そして,この推移には,非定型うつ病が DSM で記載されたことが影響を与えてい ると推察された.また,非定型うつ病の定義や診断基準に関する研究の増加も影響を与えていると考 えられた.次に,各文献のキーワードを整理したところ,これまで主に取り上げられてきたキーワー ドは,非定型うつ病や抑うつ障害,双極性障害,薬物療法,診断,治療であることが明らかになった. そのため,これらのキーワードについて,文献の内容を吟味し,非定型うつ病との関連等について確 認した.その結果,近年では,類似する様々な症状との関連についての検討のみならず,より細やか な検討(詳細な病態など)が進められていることが明らかになった.さらに,非定型うつ病の治療に 関する研究としては,薬物療法に関心が向けられていることが明らかになった.