著者
藤森 由子 國方 弘子 藤代 知美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.114-120, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

目的:地域で生活する精神障がい者が自分にとって調子のいい状態を獲得するプロセスを明らかにする.方法:地域活動支援センターに通所する精神障がい者12名に半構成的インタビューを行った.分析は修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた.結果:地域で生活する精神障がい者は,「喪失と辛苦」から出発し,『試行錯誤』と『取捨選択』を繰り返す経験を自らの糧として『自分のよりどころ』とし,『自分での手当て』を行い『平坦な暮らし』をすることで自分にとって調子のいい状態を維持していた.このプロセスは,病気をコントロールし生活を主体的に送る力を取り戻す【主導権の再獲得】であった.結論:本プロセスを促進するために精神疾患に伴う認知機能障害を考慮した支援の必要性が示唆された.また,支援者によるつなぐという支援技術の詳細を明らかにする必要がある.
著者
藤森 由子 國方 弘子 藤代 知美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.114-120, 2016
被引用文献数
1

<p><b>目的:</b>地域で生活する精神障がい者が自分にとって調子のいい状態を獲得するプロセスを明らかにする.</p><p><b>方法:</b>地域活動支援センターに通所する精神障がい者12名に半構成的インタビューを行った.分析は修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた.</p><p><b>結果:</b>地域で生活する精神障がい者は,「喪失と辛苦」から出発し,『試行錯誤』と『取捨選択』を繰り返す経験を自らの糧として『自分のよりどころ』とし,『自分での手当て』を行い『平坦な暮らし』をすることで自分にとって調子のいい状態を維持していた.このプロセスは,病気をコントロールし生活を主体的に送る力を取り戻す【主導権の再獲得】であった.</p><p><b>結論:</b>本プロセスを促進するために精神疾患に伴う認知機能障害を考慮した支援の必要性が示唆された.また,支援者によるつなぐという支援技術の詳細を明らかにする必要がある.</p>
著者
藤森 由子 多田羅 光美 沖野 一成 松下 和子 永峯 由美 國方 弘子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.87-92, 2013-09

Tokushima and Kagawa prefectures are in a similar situation in that they can be called backward prefectures in regards to the mental health field. The mental health professionals of both prefectures have been working as a study group aiming at "the community improvement in which all people can live together." As a part of the activities of the study group, we obtained an opportunity of an observation-cum-study of the House of Urakawa Beteru in November, 2012. We perceived the following two necessary recognitions through the observation-cum- study. One is the existence of potential paternalism of thoughts of the supporters themselves. Another, is that the mental health professionals and peers as supporters need to promote and draw strength from the people with mental illness.