著者
松木 武彦 藤澤 敦 渡部 森哉 比嘉 夏子 橋本 達也 佐々木 憲一 寺前 直人 市川 彰
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

2020~2021年度は、集成したデータ群を配列し、事象の出現の順番と因果関係を見据えつつ戦争の出現・発展・低減・消滅のプロセスを地域ごとに提示し、「戦争プロセスモデル」を作成する。2022年度は、このモデルにモニュメント築造(A01班)や技術革新・芸術表現(A02班)などの事象を織り込み、戦争プロセスの認知的側面を明示する。2022年度後半~2023年度前半には、B03 身体班と協業し戦争プロセスの身体的側面を解明する。2023年度後半は、C01モデル班との共同作業によって、集団の複合化と戦争という事象が、ヒトの認知と身体を媒介として文明創出に寄与するメカニズムを提示する。
著者
藤澤 敦
出版者
Tohoku University
巻号頁・発行日
2015-03-05

論文
著者
藤澤 敦
出版者
東北大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

日本の律令国家とは相対的に独自の文化を維持した、古代の東北北部と北海道の社会を究明する-手法として、武器と馬具を対象に、その生産と流通という観点から検討した。なかでも出土例が多い、武器では刀類と鉄鏃、馬具では轡を主要な検討対象として検討した。金属製品の検討にあたっては、残存有機質部分を含めた詳細な実物観察が必要であり、昨年度に引き続き、北海道を中心に資料調査を行った。北海道のオホーツク海沿岸地域の、オホーツク文化に伴う蕨手刀には、鍔の平面形が隅丸長方形を呈するもので占められていることが判明した。このような鍔の形態は、他に例のないものであり、日本列島の他の地域から出土した蕨手刀とは、異なった系譜を引くものである可能性も考えられる。今後、大陸の刀剣類の諸例を含めた、広範囲での比較検討が必要である。馬具では、北海道出土の例が、一部の部材だけが取り外された形で出土しており、馬具本来の用途を失っている。装飾品などに転用された結果と考えられた。この点で、東北北部と北海道では、古代における馬具の受容、馬利用のあり方に相違が認められる。これらの2ケ年間の検討を通じて、東北北部と、オホーツク文化以外の北海道出土の古代武器・馬具は、基本的に律令国家のもとで製作されたものが移入されたものと考えられた。特に、律令国家における北方との窓口となった、陸奥国の領域内で製作されたものが、多数を占めると予測された。ただし、オホーツク文化では、他地域とは異なるルートで、武器類を移入していたことが推定できる。
著者
藤澤 敦

平成15年度-平成17年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書,課題番号:15520473