著者
藤澤 順也 唐山 英明 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.2616-2623, 2008-11-01
被引用文献数
3 1

計測手法としてEEG (electroencephalogram:脳波)を採用した,運動想起を用いたBCI (Brain-Computer Interface)システムを開発した.従来のBCIシステムはその低信頼性とビットレートの低さから主にコンピュータスクリーン上での制御が行われてきたという問題点を挙げ,実世界でのアプリケーション構築の架け橋として,より実世界に近い環境のVR空間でBCIシステムが構築できるかを検証した.右手・左手の運動想起時の脳波は単試行で判別され,3人の被験者で平均80%程度の正答率が得られ,実物体制御への動機付けとでき得る結果が得られた.また,被験者の訓練の負担軽減の考察を行った.訓練されていない被験者に対し,正答率の向上・訓練負担軽減が可能であることをCommon Spatial Patternで抽出された空間パターンとSN比の推定であるr^2の分布を比較することにより示すことができた.